症状改善報告
1ヶ月以上苦しんだ野球肩が5回の治療で完治した話
- 肩関節の痛み(インピンジメント症候群)
症例報告 Top Member丸山
「患者」
16歳、高校生、男
「症状」
肩関節の痛み、野球肩
「来院日」
平成29年 6月下旬
「来院経緯」
患者は野球部に所属、ポジションはファースト。
発症は1か月半前。
患者はウォーミングアップのキャッチボールの際に、右肩に引っかかるような違和感を覚える。
引っかかりを感じたのは初めだけで、その後、練習を続けると引っかかりは消失。
その日から、アップでは肩に引っかかりを感じるようになり、練習で体が温まると、その違和感が消えるという状況が続く。
違和感があるだけで、痛みは感じられなかったので、患者は「そのうち治るだろう」と病院に行くことはなかった。
1週間後、アップのキャッチボールの際に、肩の前面にズキッとした痛みがはしる。
それからは、練習で体が温まっても、肩の痛みは治まることはなかった。
患者は試合が近いこともあり、部活は休まず、痛みがある状態で練習を続ける。
発症から1か月半後、痛みは肩関節前面~肩甲骨周辺まで広がり、腕を動かすだけでも肩に痛みが走る程に悪化。
夏の大会が近くなり、練習をなかなか休むことが出来ず、患者は日常でも痛みを訴えるようになる。
それを見かねた両親がweb上で当院のHPを見て来院を決意。
「治療経過」
1診目
現在、患者は投球どころか、肩を回すだけでも痛みが出る状況である。
日常生活では、物を拾う動作、ドアノブを回す動作で疼痛を訴える。
痛みの動作確認を行う。
肩関節挙上(腕を前方に上げる)は90度、
外転(腕を外に開く)は100度で強い疼痛を確認。
内旋(腕を下垂した状態で内に捻じる)、外旋(外に捻じる)でも疼痛を確認。
痛みの場所を確認すると結節間溝、棘上筋に圧痛・硬結を確認。
ヤーガソンテスト陽性、スピードテスト陽性、棘上筋腱炎テスト陽性。
検査法や圧痛箇所から、野球肩(棘上筋腱炎と上腕二頭筋長頭腱炎の複合型)と判断。
治療:
曲池・合谷に接触鍼、百会に置鍼し、身体全体のエネルギー調整
手関節アライメント調整、橈骨アライメント調整、腸骨筋調整
治療後、大幅な改善が見られた。
肩関節挙上、外転、内旋位で現れていた疼痛は消失。
外旋位で軽い疼痛を確認したが、可動域が大幅に上がったのが分かる。
患者の希望は「早く治して、早く全力で練習をしたい」という事であったので、
次回は3日以内に来院するように伝え、次回の来院日までは投球はしないように伝えた。
1診目施術終了。
2診目
前回から2日後の来院。
患者から「日常の動作で現れていた痛みはなくなった。肩を回す動作でも痛みはほとんど感じられない」との報告。
肩関節の動作確認を行う。
前回同様に肩関節挙上、外転、内旋位の痛みはみられない。
前回確認された肩関節外旋位でも、疼痛は現れなかった。
結節間溝と棘上筋周辺の圧痛はまだある。
前回程ではないが硬結も確認出来た。
動作確認で痛みは確認できなかったので、次はシャドウピッチングで疼痛を確認。
腕を振り上げた時(トップの位置)に肩の前面に疼痛を訴えた。
治療:
曲池・合谷に接触鍼、百会に置鍼し、身体全体のエネルギー調整
手関節アライメント調整、腸骨筋調整、橈骨アライメント調整
治療後、シャドウピッチングで疼痛を確認。
トップの位置で肩の前面に現れていた疼痛が消失。
次に、実際にボールを投げるのに近い状態を作るため、タオルを使いシャドウピッチングを行う。
フォロースルー時に肩甲骨周辺、特に棘上筋部に痛みを訴えた。
治療:
股関節アライメント調整、大腰筋調整、肩甲胸郭関節調整
治療後、シャドウピッチングでの肩周囲の疼痛は消失。
治療室内で再現できる疼痛はすべて消失した。
患者に練習での投球の許可を与え、次回も3日以内に来院するように指示。
2診目施術終了。
3診目
前回から3日後の来院。
患者より、「キャッチボールで現れていた痛みはなくなった。遠投の時に肩の前面に痛みが出た」との報告。
患者は遠投でボールをリリースした直後に、肩の前面にズキッとした疼痛が現れたとのこと。
圧痛箇所を確認すると、以前確認された棘上筋周辺の圧痛は確認できなかった。
棘上筋腱テスト陰性。
結節間溝に軽い圧痛を確認。
スピードテスト陰性、ヤーガソンテスト陽性。
検査法と圧痛箇所から、棘上筋腱炎は完治、現在は上腕二頭筋長頭腱炎のみであると判断。
治療:
曲池・合谷に接触鍼、百会に置鍼し、身体全体のエネルギー調整
手関節アライメント調整、股関節アライメント調整、肩甲胸郭関節調整
治療後、ヤーガソンテスト陰性。
結節間溝に確認された圧痛は消失。
次回は1週間以内に来院するように患者に指示。
3診目施術終了。
4診目
前回から1週間後の来院。
患者から「遠投の時の痛みはなくなった。思いっきりボールを投げた時に肩前面に軽い引っかかりがあるが、違和感程度で特に気にはならない」との報告をうける。
棘上筋腱テスト、スピードテスト、ヤーガソンテスト、すべて陰性。
結節間溝の圧痛を確認したが、圧痛はなく、軽い硬結が確認できた。
治療:
百会・合谷に接触鍼、百会に置鍼し、身体全体のエネルギー調整
手関節アライメント調整、股関節アライメント調整、肩甲胸郭関節調整、上腕屈筋群エネルギー調整
治療後、結節間溝に確認された硬結は消失。
患者に次回の来院日まで全力でプレーして、痛みがなければ、次回で治療終了する旨を伝えた。
4診目施術終了。
5診目
前回から1週間後の来院。
患者から「練習時に肩が痛くなることは全くなかった。思いっきりボールを投げても大丈夫だった。」との報告をうける。
動作と圧痛を確認したが、可動域も正常で圧痛も確認できなかった。
治療:
曲池・合谷に接触鍼、合谷に置鍼し、身体全体のエネルギー調整
手関節アライメント調整、股関節アライメント調整、上腕屈筋群エネルギー調整、体幹調整
患者に、次回から1か月に1回のメンテナンス期に移行する旨を伝え、今回で一旦治療終了とした。
5診目施術終了。
「患者さんの口コミ・感想」
Q1、どんな症状をお持ちでしたか?
ボールを投げる際、肩の痛み。
Q2、鍼灸治療など、当院来院にあたって心配はなかったですか?
また心配はどうやって解消しましたか?
心配なかった。
Q3、当院の施術を受けたときの印象・感想などを教えてください。
通うたびに痛みが小さくなっていくのを感じた。
正直、こんなに早く良くなるとは思っていなかった。
Q4、あなたと同じ様な症状をもった方へなにか勇気が出るメッセージがあればお願いします。
本当にすごい!すぐにいつも通りに投げられるようになる。
お名前:K・F
ご年齢:16歳
ご職業:学生
「担当からの考察」
今回の患者さんであるK・Fくんは、投球時はもちろん、日常生活の動作でさえ肩に痛みが走る程、野球肩の症状が進んだ状況での来院でした。
野球肩は練習中や練習後に痛みが出る事はよくありますが、日常動作でも痛みが出るのは、症状がかなり進行している状態です。
今回、K・Fくんが不幸中の幸いだった事は、病院や整形外科よりも先に当院に来てくれたことです。
病院などでは、野球肩はオーバーユース(過度な練習)やインナーマッスルが弱いから起こると指摘されることが多いです。
最低1ヶ月は投球禁止、絶対安静と言われるとは一般的で、他には、筋肉を鍛えるような指導をされる事も多いです。
もちろん、筋肉(インナーマッスル)を鍛える事は大切です。
筋肉が弱いと、投球動作などで関節の位置がずれやすくなり、関節内の骨や筋肉がぶつかり、炎症が起こります。
投球動作でこの状態を繰り返し起こす事で、野球肩が発症しやすくなるので、筋肉をつけることも大切です。
しかし、原因はそれだけではありません。
野球肩を起こしやすい人の特徴は、股関節を含め、下半身の動きが悪くなっていることが多いです。
今回のK・Fくんの野球肩も、一番効果があった治療法は股関節の調整でした。
股関節のアライメントをしっかり調整することで、野球肩の痛みがほとんど消失しました。
後は、手関節および肘関節のアライメントの微調整を行っただけです。
K・Fくんも下半身の動きが悪くなっており、上半身だけで無理にボールを投げていました。
その結果肩に負担がかかり、野球肩として症状が現れていたのです。
K・Fくんがそんな状態であることは、初診時の立位の姿勢を見た瞬間から分かっていました。
K・Fくんの立位の姿勢は肩が内に入り、重心がかなり前方にあり、下腿の捻じれが顕著に表れていました。
このような場合、股関節や下半身が硬くなっている事が多いです。
初診時からそれを見抜けていたので、1回の治療で劇的な改善が見られたのです。
きっと病院では、最低1ヶ月は投球禁止だと指示されていたと思います。
それが当院では1ヶ月もかからずに元通りの状態になり、今ではボールを思いっきり投げる事が出来ています。
夏の大会が近くK・Fくんが焦っているのも分かっていたので、早急に改善し、早急に練習に復帰できたことを心から嬉しく思っています^^
最後に、
病院で「絶対安静」と言われている状況であっても、当院では何とかなる場合の方が多いです。
そのような状態でお子さんが悩んでいるなら、一度当院に来院してみて下さい。
そんな子供たちこそ、何とかしてあげたい!という強い想いを持って、私が日々治療に励んでいることを、みなさんに知っておいていただきたいです。
治療担当 丸山