疾患別症状改善報告

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症状改善報告

病院で「異常なし」もキャッチボールが出来ない野球肩、痛みの原因は〇〇だった!?

  • 肩関節の痛み(インピンジメント症候群)

 

症例報告 Top member丸山

 

この記事は野球肩に悩んでいた小学生の男の子が、

短期間で全力投球できるまでの過程を記しています。

 

野球をしている人にとって、肩の痛みはとても身近なものだと思います。

きっと共感できるはずなので、最後まで是非ご覧ください。

 

 

 

 

「安静にしても治らず、全く投げられない状態に」

患者

男子、11歳、小学生

症状

野球肩

来院日

平成30年7月上旬

来院経緯

患者は野球のクラブチームに所属。

ポジションはピッチャー兼サード。

 

発症は1ヶ月前。

患者は投球練習の際、右肩に違和感を覚える。

肩に軽い引っかかりがあり、投げにくさを感じた。

そのまま投球練習を続けていると、だんだんと痛みを感じるようになる。

練習後にアイシングとストレッチを行うことで痛みは消失。

 

しかし翌週の練習では、さらに強い痛みを感じ、

投球練習を続けるのが困難な程であった

 

患者の状態を知った両親は、患者を連れて病院を受診。

レントゲンを撮影したが、医師からは「異常なし」との所見。

「練習前にストレッチをしっかりするように。」との指示をうける。

 

患者は、野球の練習前にいつもより重点的にストレッチを行う。

アップのキャッチボール時点では痛みはなかったが、

ピッチング練習を行うと、右肩に強い痛みが現れた。

肩を回すだけでも痛みがあったため、練習を中止。

 

患者は、再び病院を受診。

医師からは「肩のすじを違えていると思うから、2週間安静にするように。」と指示される。

 

すべての運動を2週間中止し、安静に過ごす。

2週間後、練習を再開。

アップの時点では痛みがなかったが、投げているうちにだんだんと痛みが現れる。

山なりのボールは投げられても、速球を投げることは出来ず、

塁間の距離さえ届かない程であった。

練習の後半には、ボールを軽く投げることもできない程の痛みを感じた。

 

患者の両親は、安静にしても痛みが全く取れない状況を不安に思い、

病院以外での治療を検討する。

web上で肩の痛みについて検索したところ、当院のHPにたどり着く。

当院の口コミや治療実績を見て、来院を決意。

 

「野球肩の痛みが10回で消失」

1診目

患者が痛みを訴えている箇所を確認する。

野球肩

野球肩

写真の赤×の箇所(結節間溝)に圧痛を確認。

 

次に痛みの動作確認と検査を行う。

肩関節前方挙上 140°(※180°)、

肩関節後方挙上 20°(※50°)、

肩関節外転 150°(※180°)で疼痛を確認。

ヤーガソンテスト、スピードテスト陽性

※正常可動域

 

検査と問診から『野球肩(上腕二頭筋長頭腱炎)』と判断。

この判断をもとに治療を進める。

 

患者は7月下旬の大会に出場したい考えであり、

「7月中旬までには練習に復帰したい。」との要望。

私の経験から、それは可能であると予測。

そのためには治療間隔を詰めて行う必要があり、

患者とご両親の同意を得た上で、治療開始。

 

治療:

曲池・合谷に接触鍼、百会に置鍼

体幹調整、股関節調整、手関節アライメント調整

 

治療後、

肩関節前方挙上140°→160°

肩関節後方挙上20°→35°

肩関節外転150°→160°

2診目

前回から1日後の来院。

 

肩関節可動域は前回後の状態を維持。

結節間溝の圧痛あり。

 

治療:

曲池・合谷に接触鍼、百会に置鍼

体幹調整、股関節調整、手関節アライメント調整

 

治療後、

肩関節前方挙上160°→180°

肩関節後方挙上35°→40°

肩関節外転160°→180°

 

肩関節前方挙上、外転位は可動域が正常に。

3診目

前回から2日後の来院。

 

肩関節可動域は前回後の状態を維持。

 

治療:

曲池・合谷に接触鍼、百会に置鍼

体幹調整、股関節調整、肘関節アライメント調整

 

治療後、肩関節後方挙上40°→50°

今回ですべての肩関節可動域が正常範囲に。

疼痛も消失した。

 

次に、施術室内でシャドウピッチングを行う。

患者は「シャドウピッチングでは肩関節に痛みがある。」との訴え。

この時の痛みをペインスケール「10」と設定し、今後の治療を進めていく。

(ペインスケールとは痛みを10段階で表わした指標。10に近づくにつれ痛みが増す。患者に数字を示させる。)

4診目

前回から1日後の来院。

 

肩関節の可動域は正常範囲のまま維持。

シャドウピッチング時のペインスケール「10」

 

治療:

曲池・合谷に接触鍼、百会に置鍼

股関節調整、足関節調整、肩甲骨アライメント調整

 

治療後、ペインスケール「10」→「6」

6診目

5診目の治療は足関節の調整を重点的に行う。

これによりシャドウピッチングの痛み「3」に減少

 

今回は下肢の調整を主に行い、

投球フォームの改善を目指す。

 

治療:

曲池・合谷に接触鍼、百会に置鍼

股関節調整、足関節調整、肩甲骨アライメント調整

 

治療後、ペインスケール「3」→「0」

結節間溝の圧痛消失。

患者にクラブチームの練習で、肩の痛みを確認するように伝える。

8診目

初診から16日が経過。

 

患者は通常練習に復帰。

塁間も問題なく投げることが出来ており、

ピッチング練習も行うことが出来ているようだ。

痛みは消失したが、肩関節の引っかかりはまだある。

 

今回も投球フォーム改善のために、

体幹調整や下肢調整をメインに行う。

 

治療:

曲池・合谷に接触鍼、百会に置鍼

股関節調整、足関節調整、体幹調整、手関節アライメント調整

10診目

初診から1ヶ月が経過。

 

投球練習での肩関節の引っかかり消失。

患者から「以前と同じように練習が出来ている。球速とコントロールも上がった。」との報告。

 

今回は肩関節周囲の最終調整を行い、

再発防止のため、患者にセルフケアを指導する。

 

治療:

曲池・合谷に接触鍼、百会に置鍼

体幹調整、肩甲骨アライメント調整、肘関節調整

セルフケア指導

「患者さんの口コミ」

Q1、どのような症状でお困りでしたか?

またお困りの症状を治すために、今までどのような治療を受けてこられましたか?

野球肩

整形外科では異常なしと言われました。

Q2、鍼灸治療など、当院来院にあたって心配はなかったですか?

またその心配はどうやって解消しましたか?

特にありません。

Q3、当院の施術を受けたときの印象・感想を教えてください。

鍼は初めてでしたが、全く痛みなかったです。

Q4、症状が改善した現在の想いをメッセージ下さい。担当が最高に喜びます。

痛みが全くなくなって、おもいっきり投げられるようになってうれしいです。

以前より体も軽くなって、治療して頂けて本当に良かったです。

ありがとうございました。

 

(患者さんのお母さまからの感想)

 

お名前:H・K

ご住所:奈良市帝塚山

ご年齢:11才

ご職業:小学生

「野球肩の治療について」

今回の患者さんであるH・Kくんの野球肩は、

病院で「異常なし」と診断されていました。

治療らしい事は一切なく、「安静に」というアドバイスのみだったようです。

 

H・Kくんは肩を上げるのも痛そうで、ボールは全く投げられない状況でした。

私がH・Kくんの立場だとして、病院で「異常なし」と言われたら、

「そりゃないでしょう(:_;)」と憤りを感じるでしょう。

 

基本的に、野球肩の場合、

病院で間違いなく言われることは「投げすぎ」ということ。

いわゆるオーバーユース(過度な運動)ですね。

 

でも、H・Kくんは週に1回の練習で、

練習時間もそこまで長くなく、

オーバーユースによる野球肩とは考えられません。

 

では、何が原因で野球肩を発症したのか?

それは『股関節の可動域制限』が理由でした。

 

野球をしている人からすると、

「フォームが悪い場合、身体を痛めやすくなる」という事は

当たり前の考えだと思います。

なので、フォームを改善するために

肘の高さなど上半身の指導をしがちです。

 

でも、意外と見落とされがちなのは下半身。

いくら肘や肩の位置を調整したところで、

下半身が使えていないと上半身だけで投げてしまい、

結果、肩や肘を壊してしまいます。

 

H・Kくんの場合もシャドウピッチングを見てみると

上半身だけに力が入っている状況で下半身を全く使えていませんでした。

この負担が継続的に肩にかかり、痛みが強く出ていたのです。

 

下半身を上手く使えるようにするには、

股関節の可動域制限を解除し、上半身と下半身の連動性を高める必要があります。

H・Kくんには、この調整をひたすら繰り返し、

身体に覚えさせることで、フォームの改善を行いました。

これにより野球肩の痛みはとれ、球速とコントロールも上がっていきました。

 

このように、私たちは野球肩の治療を行う上で、

痛みを取る事だけを目的としておらず、

痛みを繰り返さないための全身調整、

そしてパフォーマンスの向上を目的としています。

 

本来持っている能力をスポーツで十分に発揮できていない子供たちは意外と多いです。

「この子は本来もっと早く走れるのにな~」

「もっと球速を上げることが出来るのにな~」

子供たちの治療をしていて、このように思う事は多いです。

 

私たちはパフォーマンスを上げるための調整をいくらでも行えるので、

痛みがない状態でも自分の能力を一段上げるために、

当院に来て欲しいと思っています。

 

最後に、

野球肩が治らずお困りなら、一度当院に来てみて下さい。

きっと「ここに来て良かった」と思えるはずですよ。

あなたとのご縁をお待ちしております。

 

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