症状改善報告
手術しかないと言われた有痛性外脛骨が3回の治療で完治した話
- 有痛性外脛骨炎
症例報告
Top Member 丸山
「患者」
13歳、中学生、女の子
「来院」
平成29 5月上旬
「主訴と来院経緯」
患者は学校でモダンダンス部に所属。
3月、ダンスのレッスン中に右足首を捻挫。
捻挫を治すため、部活を約2週間休部。
2週間後、部活を再開。
ダンス中に捻挫の痛みはなくなったが、次は右足首の内側が痛みだすように。
練習後はもちろん、練習中にも疼痛が現れ、思うようにダンスが踊れなくなる。
健側の左足と比較すると、右足内側の骨が異常に突出している事に気づく。
整形外科を受診。
「有痛性外脛骨」「外反偏平足」と診断。
医師より「患者の有痛性外脛骨はとても重症であり、このままでは悪化していく」と通告される。
「このままダンスを続けたいのであれば、手術しかない」
「手術をしないなら、ダンスをやめて、足を酷使しない文化部などに入った方が良い」
医師からは、この2択しかないと迫られる。
患者は手術が怖く、ダンスを続けたい考えであったので、患者はこの話を一旦保留にしたいと伝えた。
患者のご両親も「手術はせずに、このまま何とかモダンダンスを続けさせてあげたい」という思いがあったので、インターネットで当院のHPをみて、来院を決意。
「治療経過」
1診目
はじめに、患者の有痛性外脛骨を触診。
健側の左足と比較したところ、患側の右足には病院で診断されたとおり「有痛性外脛骨」が見られた(下記写真参照)
つま先立ちをすると、激しい疼痛が現れ、ダンス練習が困難になるとのこと。
練習後は足がズキズキと疼き、痛みが引くのに時間がかかるもよう。
最近では何もしていないときでも、たまにズキズキと疼く痛みが出現するそうだ。
圧痛を確認したところ、圧痛あり。ピリッと電気が走るような痛みが出ると患者は訴えた。
施術室内を裸足で歩いてもらうと、軽くではあるが痛みがあるもよう。
患者が訴える痛みの度合いや、疼痛の発生機序に加え、私の今までの経験を含め総合的に判断したとこと、手術は必要ないと考えられる。
モダンダンスを辞める必要もないと判断し、患者にそれを伝えた。
患者の訴える疼痛の度合いは強いものの、有痛性外脛骨だけを見ると比較的軽度であった。
施術次第では短期間の治療で、完治にさせることが可能であると思われる。
問診時、モダンダンスは裸足で踊ると聞き、裸足で固い床の上で踊るぶん、足首や膝関節にも負担がかかっていると考えられる。
こういった部分から外脛骨の痛みをさらに強めていると考えられるので、外脛骨だけの治療ではなく、体全体の調整が必要と判断。
治療:
手三里、曲池に接触鍼、百会に置鍼で体全体のエネルギー調整
大腿内旋変位調整、下腿外旋変位調整
腓骨アライメント調整、外脛骨調整
患者は治療中、とても不安そうであったので、
私の見立てでは、手術の必要もなく、このままダンスを続けられるだろう事を再度説明し、患者の不安を取ることに努めた。
立位の姿勢を観察したところ右足全体のねじれが見られた。
通常、大腿骨は外旋位、下腿は内旋位である。
これに対し、患者の足はそれが逆転し、足がねじれている状態であった。
そのねじれをとる調整をした後、足関節の可動域が大幅に上がる。
足関節の可動域が上がった事によって、つま先立ちがしやすくなる。
施術後、外脛骨の圧痛確認をしたところ、圧痛が半減。
つま先立ちの痛みは消失し、歩行時に出ていた疼痛も全く感じなくなる。
1診目施術終了。
2診目
前回から1か月あいての来院。
前回の治療後、外脛骨の痛みはすべて消失したとのこと。
つま先立ちや歩行時にも痛みは出ることはなく、この1か月間ダンスを問題なく踊れていたようである。
しかし、7日前に右足の母指がダンスレッスン中に痛くなり、その痛みにつられるように外脛骨の痛みが再発。
以前のようにズキズキと疼くような痛みではないものの、悪化する前に治療した方が良いと思い来院。
右足の母指の痛みは、歩行時に現れるようで、足に体重をかけると痛みが増強するとのこと。
外脛骨は以前のように、つま先立ちをすると軽度ではあるが、疼痛が出現するもよう。
有痛性外脛骨を触診。
前回は、患側と健側に明らかな違いが見られた。
しかし、今回は患側の外脛骨の突出は少々見られたものの、
左右を比較すると、違いはほとんどなくなっていた。
治療:
手三里・曲池に接触鍼、百会・足三里に置鍼で体全体のエネルギー調整
大腿内旋変位調整、下腿外旋変位調整
腓骨アライメント調整、外脛骨調整
中足骨アライメント調整
今回、患者が訴えていた足親指の痛みだが、原因は母指中足骨のずれが原因であった。
その中足骨をもとの位置に戻してあげたところ、圧痛消失。
歩行時にも痛みを訴えていたが、治療後はその痛みも消失。
外脛骨の痛みも治療後は全くなくなり、つま先立ちをしても疼痛が現れることはなかった。
治療室内で再現できる痛みはなくなったが、ダンス中に痛みが再発する恐れもあるので、次回は1週間以内に来院するように患者に伝えた。
2診目施術終了。
3診目
前回から1週間あけての来院。
右足の母指の痛みは前回の治療で消失。
有痛性外脛骨の痛みも消失したとのこと。
治療:
手三里・曲池に接触鍼、百会に置鍼で体全体のエネルギー調整
大腿内旋変位調整、下腿外旋変位調整
腓骨アライメント調整、中足骨調整
患者はまだ成長過程で、モダンダンスは裸足で踊るぶん、下半身への負担が大きい。
患者と、そのご両親にセルフケアの仕方を指導し、練習の後に必ずセルフケアするように伝えた。
治療は1か月に1回のメンテナンス期に移行することを伝え、今回で一旦治療終了する旨を伝えた。
「患者さんの口コミ・感想」
Q1、どんな症状をお持ちでしたか?
外けい骨
Q2、鍼灸治療など、当院来院にあたって心配はなかったですか?
また心配はどうやって解消しましたか?
部活などをやめるように言われたりしていたので(前の病院で)そういうことを言われてりしたらどうしようと思っていました。でも、部活を休んだりやめてって言ったりすることはないと言われたので安心してこれるようになりました。
Q3、当院の施術を受けたときの印象・感想などを教えてください。
針は少し怖かったけど、ささったかんかくもほとんどなくて全く痛くなかったので安心しました。
痛かったところの事をよく分かって下さったのでうれしかったです。
Q4、あなたと同じ様な症状をもった方へなにか勇気が出るメッセージがあればお願いします。
外けい骨を持っていても部活は続けれるので、もうやめるしかないとか思わなくても大丈夫です(^^)
お名前:H・I
住所:奈良市
ご年齢:13歳
ご職業:中学生
「担当からの考察」
今回の患者さんであるH・Iちゃんの場合、
病院から「手術」もしくは「ダンスを辞める」この2択しかないと言われている状況でした。
初診の予約を電話で取る時、私が電話を受けたのですが、
この経緯を聞き「どれだけ酷い外脛骨なんだろう」と少し不安に思いました。
しかし、実際に症状を診たところ、
手術もする必要はないし、ダンスを辞めなくても当院で治せると確信しました。
H・Iちゃんは問診時にとても不安そうで、
私が「手術しなくてもいいし、ダンスも辞めなくても治るから大丈夫だよ」と伝えると、すごくホッとした様子でした。
後から聞くと、ここでも「ダンスをやめなさい」と言われると思っていたらしく、当院に来たくなかったようです。
病院の先生から言われたことが余程ショックで、トラウマになってしまったのでしょう。
H・Iちゃんの外脛骨はそこまで重症ではありませんでした。
では、なぜここまで症状が強く出ていたのか?
原因は足のねじれ、足関節の可動域の低さであり、これらが外脛骨の症状を増長させていました。
足全体の調整と、外脛骨の調整を行うことで、1回の治療でも劇的な改善が見られました。
H・Iちゃんもすごく驚いていて、ダンスを続けられることに、とても喜んでいました。
最後に、
「手術しかない」と病院で言われた状況であっても、当院で完治に至るケースは山のようにあります。
もし、あなたが今スポーツをしていて、病院で手術を進められているのなら、一度当院に来てみてください。
私たちはそういった悩みをもっている人たちを、助けてあげたいという強い気持ちをもって日々治療にあたっている事を、みなさんに知っておいていただきたいです。
治療担当 丸山