症状改善報告
有痛性外脛骨インソールやマッサージ、ストレッチでは絶対に治らない
- 有痛性外脛骨炎
症例報告
Top Member丸山
「患者」
女の子、15歳、中学3年生
「症状」
有痛性外脛骨
「来院日」
平成29年 2月中旬
「来院経緯」
発症は2ヶ月前。
患者は体育の持久走で走っている際、左足首の内側にズキッとした痛みを感じる。
走り終わった後、足首の痛い箇所を触ってみると、健側の右足に比べて左足の土踏まず辺りの骨が突出している事に気付く。
その突出している骨を強く押すと、持久走で走っている時に感じた痛みと同様の痛みが現れた。
患者は『足首の捻挫』か『骨折』を考えたが、家に帰る時には足首の痛みは消失していた。
翌週の体育でも持久走を走ると、足に同じ痛みを感じた。
先週は走っている時にのみ痛みがあったが、今週は走り終えて歩いている時にも痛みがあった。
痛みは翌日まで続き、時間が経つにつれ痛みが軽減していった。
このような状態が約1ヶ月続き、次第に症状は進行する。
今までは走る事がきっかけで痛みが起こる場合が多かったが、最近では調子が悪い日は朝から痛みが現れ、1日続くこともある。
患者は以前からダンスを習っており、ダンス中のジャンプや重心移動の時は顔をしかめてしまう程痛みが強く出た。
患者は4月から高校生になり、ダンス部に入る予定だったが「このままでは踊る事が出来なくなってしまうのではないか。」と危惧し、症状についてweb上で検索する。
『痛みの箇所』『骨の突出』『好発年齢』などを踏まえて検索したところ、『有痛性外脛骨』という疾患が自分の症状に当てはまった。
『有痛性外脛骨』についてweb上で検索すると、当院のHPにたどり着く。
当院の口コミや方針などを見て、来院する事を決意。
「治療経過」
1診目
問診と触診を行う。
症状の程度は日によって異なるようで、歩くのさえ痛い日と全く痛くない日がある。
この日は症状が強く出ており、歩くのも痛いとのこと。
患者が痛みを訴えている箇所を触診。
写真の赤〇の箇所に疼痛を訴えている。
健側の右足には骨の突出は見られず、患側の左足にはそれが確認できた。
次に、圧痛を確認する。
×印の箇所に圧痛を確認。
問診と触診から『有痛性外脛骨』と判断。
この判断をもとに治療を進めていく。
患者から「4月に高校のダンス部に入部したいので、それまでには治して欲しい」との要望。
私の今までの経験から、その要望に応える事が出来ると判断。
そのためには治療を詰めて行う必要があると患者に説明。
しかし患者は受験生なので、受験が終わるまでは詰めて来院する事は難しいとのこと。
患者に「詰めて来院するのは受験後にし、それまでは時間の合間を見て来院するのはどうか」と提案し、同意を得る。
施術室内で走行時に痛みが強く出ることから、この時の痛みをペインスケール「10」と設定し、治療開始。
(ペインスケールとは痛みを10段階で表わした指標のこと。10に近づくにつれ痛みが増す。患者に数字を示させる。)
治療:
曲池・合谷に接触鍼、百会に置鍼し、身体全体のエネルギー調整
内臓調整、下腿内旋変位調整、足関節アライメント調整
治療後、ペインスケール「10」→「6」
走行時の痛みが大幅に改善。
有痛性外脛骨周辺の圧痛も治療前に比べ軽減。
患者は来院間隔が詰めて来る事が出来ないので、その代わりに自分で簡単に出来るセルフケアを指導。
患者には次回来院日の具体的な日数は伝えず、塾や習い事の合間をみて来るように指示。
1診目施術終了。
2診目
前回から7日後の来院。
患者から「この1週間で、外脛骨が朝から痛い日は1日しかなかった。ダンスなどで踊るとその後は少し痛むが、以前ほどではない。」との報告。
患者によると、今日は調子が良い日らしく現在のペインスケールは「0」とのこと。
施術室内で走ってもらうと違和感程度の痛みを訴えた。
治療:
曲池・合谷に接触鍼、百会に置鍼し、身体全体のエネルギー調整
内臓調整、下腿内旋変位調整、足関節アライメント調整、アキレス腱弛緩調整
治療後、走った時にあった有痛性外脛骨の違和感消失。
次回も塾などの合間を見て来るように指示し、治療終了。
3診目
前回から9日後の来院。
患者から「日常で痛みを感じる事はほとんどなくなった。軽く痛みが出ても、教えてもらったセルフケアをすると痛みがなくなる。」との報告。
今までは日によって有痛性外脛骨の痛みが異なっていたが、最近ではそれがなくなっているとのこと。
最近はダンスを踊った後も、痛みはほとんど感じなくなっているようである。
ただ、ジャンプをして着地をした時に外脛骨に響くような感覚があると訴えている。
治療:
曲池・合谷に接触鍼、百会に置鍼し、身体全体のエネルギー調整
背部兪穴にお灸し内臓調整、下腿内旋変位調整、足関節アライメント調整、アキレス腱弛緩調整、殿筋調整
治療後、ジャンプをして着地をした時の響くような感覚は消失。
施術室内で再現できる痛みがすべて消失したので、日常生活でどのような時に痛みが出るかを観察するように指示。
セルフケアも継続するように伝え、3診目施術終了。
4診目
前回から11日後の来院。
患者から「痛みはなく、調子はとても良い。受験が終わったので最近は毎日ダンスをしているが、痛みは全然ない。」との報告。
走ったり、ジャンプをしても痛みはなく、違和感もないとのこと。
有痛性外脛骨周辺の圧痛も消失。
治療:曲池・合谷に接触鍼、百会に置鍼し、身体全体のエネルギー調整
背部兪穴にお灸し内蔵調整、足関節アライメント調整、アキレス腱弛緩調整、殿筋調整
治療後、ペインスケール「0」のまま維持。
初診時からあった有痛性外脛骨の骨の突出がほとんど確認出来なくなる。(下写真参考)
次回から1ヶ月に1回のメンテナンス期に移行する旨を伝え、施術終了。
「患者さんからの口コミ・感想」
Q1、どのような症状でお困りでしたか?
またお困りの症状を治すために、今までどのような治療を受けてこられましたか?
有痛性外脛骨
Q2、鍼灸治療など、当院来院にあたって心配はなかったですか?
またその心配はどうやって解消しましたか?
特になし
Q3、当院の施術を受けたときの印象・感想を教えてください。
針のささった間隔がなかった。
Q4、症状が改善した現在の想いをメッセージ下さい。担当が最高に喜びます!
治って良かった(*^▽^*)
ダンスを全力で踊れる!
お名前:N・M
ご住所:大阪府池田市
ご年齢:15歳
ご職業:学生
「担当からの考察」
今回の患者さんであるN・Mちゃんの場合、有痛性外脛骨のせいで大好きなダンスを思いっきり踊る事が出来ない状況でした。
発症した当初は我慢しながらでも踊れていたのが、最終的には笑顔で踊れなくなるほど痛みが出てしまっていたようです。
N・Mちゃんの希望は「約1ヶ月で治して欲しい」という事でしたが、受験生のため治療間隔をなかなか詰めて来院することが出来なかったので、はじめは「間に合うかな~」と少し心配していました。
ですがそれも杞憂に終わり、現在N・Mちゃんは大好きなダンスを思い切り踊ることが出来ています。
私も本当に嬉しいです(^^)
4月から高校でダンス頑張ってね!!
それでは治療の考察に移ります。
私は今回のN・Mちゃんのように、有痛性外脛骨に悩んでいる子供たちの施術をよくします。
そして得意。多くの子供たちは1ヶ月もあれば、ほとんど良くなります。
ただ、自信はあるけど簡単だとは全く思っていません。
私の考えとして、『有痛性外脛骨は完治して当たり前。』と思っています。
重要なのは、『いかに早く治してあげられるか』という事です。
今回のN・Mちゃんは4回で完治に至りましたが、数回の施術で治らない子もたくさんいます。
10回以上詰めて来院してもらう場合もあります。
施術回数の違いがなぜあるか?と言うと、発症期間や症状の程度などもありますが、『身体が治りやすい状態かどうか』という事が大切です。
その子供の回復力が高いと治りは早いし、身体が疲労し回復力が落ちていると治りも遅くなります。
身体の疲労レベルにより、治療回数が変わってきます。
「子供なのに疲れるの?」と思われるかもしれませんが、大人と同じように子供も疲れます。
子供も毎日学校に通い、同じ姿勢で長時間座り、部活などで身体を酷使しますよね。
子供も身体に疲労を溜め込んじゃうのです。
今回のN・Mちゃんも調子が良い日は有痛性外脛骨の痛みはないのに、ダンスをした翌日は歩いているだけでも痛みが出ていました。
これは身体の回復力が落ちている証拠です。
身体の回復力を元に戻すには『内臓調整』が必要です。
N・Mちゃんの場合も1診目から、内臓調整を重点的に行い身体が治りやすい状況を作りました。
これにより回復力や免疫力が向上し、完治に至りました。
このように痛みが出ている場所を触るだけでなく、身体全体の調整を行っていくことが完治に至るために必要なのです。
最後に、
どこに行っても良くならなかった人こそ「何とかしてあげたい!」という強い想いを持って、私が日々治療に取り組んでいる事をみなさんに知っておいていただきたいです。