症状改善報告
【子供】有痛性外脛骨は手術ダメ!1年以上の痛みが9回で良くなる治し方
- 有痛性外脛骨炎
症例報告
Top Member 丸山
「患者」
女子、13歳、小学6年生
「症状」
有痛性外脛骨
「来院日」
平成29年 12月下旬
「来院経緯」
患者は幼少の頃より新体操を習う。
発症は約1年前。
小学5年生の冬頃から、運動をすると右足の土踏まず周辺に違和感を覚えるようになる。
これは捻挫や怪我などをきっかけに現れたのでなく、ある日突然、症状が出現した。
運動後は右足の土踏まず周辺に引っかかるような違和感を覚えるが、数時間経過すると消失。
患者は足の状態が気になっていたが、軽い違和感だけで痛みはなく、その違和感も時間ともに消失するので、経過を観察することにした。
1か月後、新体操の大会が近くなり、練習日が増える。
今までは運動後に足の違和感が出ていたが、運動中にも現れ始めた。
練習量が増えるにつれ、その違和感は次第に痛みへと変化する。
つま先立ちやジャンプで着地した時に電気が走るような痛みが土踏まず周辺に現れる。
練習後に足を庇うようにして歩いていたところ、両親がその状態に気付き、患者を病院につれていく。
整形外科を受診し、レントゲンを撮影。
医師から『有痛性外脛骨』との診断を受け、「手術をしないと治らない。」との旨。
患者は手術をさけたい考えであったので、手術は一旦保留とした。
翌日、総合病院を受診。
医師からは、やはり『有痛性外脛骨』との所見で、「将来、新体操選手になり、オリンピックを目指すのなら手術をするべき。そうでないなら、我慢するしかない。」と伝えられた。
患者と両親は病院での治療は諦め、他の治療法を探す。
web上で有痛性外脛骨に特化した治療院を検索したところ、近所にあることが分かり受診することにした。
治療院では患部のマッサージとテーピングを施される。
何度か通院したが、症状の改善は見られなかった。
その間も有痛性外脛骨の症状は悪化の一途をたどる。
新体操の演技中では痛みで顔をしかめることが多くなり、演技後は歩くだけでも痛みが出るようになった。
治療院にも何か所か通い、自分でもマッサージやストレッチを行ったが、症状は改善せず、痛みが変化しないまま約1年間が経過。
患者と両親は新体操を止めることも視野にいれる。
そんな折、有痛性外脛骨についてweb上で検索していたところ、当院のHPにたどり着く。
『最後の砦』というキーワードと当院の有痛性外脛骨における治療実績を見て、来院を決意。
「治療経過」
1診目
患者は新体操の演技後は毎回歩けないほど痛みが現れ、翌日までその痛みが残る。
演技中もジャンプやつま先立ちをすると痛み、30分に1回は練習を中断せずにはいられない。
今までは右足だけに痛みが出ていたが、最近では左足も痛くなる時があるとのこと。
先日は家族で買い物に行った際に、歩いているだけでも患部に強い痛みが出た。
歩いているだけで痛みが出たのは初めてだったようで、患者の母親は「このまま歩けなくなったらどうしよう。」と不安な心境を吐露した。
患者は4月から中学生になり、今までより通学距離が長くなる。
「この状態だと足の痛みで通学に支障が出るのではないか。」と患者は危惧している。
検査と触診を行う。
施術室内を裸足で歩いてもらったが、痛みはないとのこと。
しかし、歩き方がぎこちなく、痛みが出ないようにして歩いていると推測。
その場でジャンプをしてもらったところ、着地の際に痛みを確認。
つま先立ちや、片足に重心をかけた動作でも痛みが出ると患者は訴えた。
いずれの動作も写真の矢印の箇所に痛みを訴えている。
患部は圧痛も確認された。
問診と触診から『有痛性外脛骨』と判断。
私の今までの経験から完治は可能であると判断し、中学生になる4月までに完治することを目標とする。
そのためには治療間隔を詰めて行う必要があるが、土曜日しか来院するのは難しいとのことなので、毎週土曜日に必ず通院するという事で患者と合意。
施術室内で再現できる痛みとして、つま先立ちが一番強く痛みを訴えていることから、この時の痛みをペインスケール「10」と設定し、治療開始。
(ペインスケールとは痛みを10段階で表わした指標のこと。10に近づくにつれ痛みが増す。患者に数字を示させる。)
治療:
曲池・合谷に接触鍼、百会に置鍼し、身体全体のエネルギー調整
股関節アライメント調整、足関節アライメント調整、舟状骨調整
治療後、ペインスケール「10」→「5」
つま先立ちの痛みが半分減少。
ジャンプで着地した時や片足に重心をかけた時の痛みも半分以下に減少した。
患者には新体操の練習を休む必要はない事を説明し、練習の中で痛みがどれくらい出るかを確認するように指示し、治療終了。
2診目
前回から1週間後の来院。
患者から「新体操の練習後は痛みがあったが、前ほど痛みは感じない。」との報告。
ペインスケール「5」のまま維持。
初診時に比べ、歩き方のぎこちなさがずいぶん解消されているのが分かる。
治療:
曲池・合谷に接触鍼、百会に置鍼し、身体全体のエネルギー調整
股関節アライメント調整、足関節アライメント調整、舟状骨調整、下肢循環調整
治療後、ペインスケール「5」→「3」
片足に重心をかけた時の痛みは消失。
次回も1週間後に来院するように指示し、治療終了。
3診目
前回から1週間後の来院。
患者から「新体操の練習中は外脛骨の痛みで30分に1回は休憩を挟んでいたが、先日は1時間連続して練習を続けることができた。」との報告。
ペインスケールは「3」のまま維持。
練習中に痛みを感じる回数が減り、休憩を挟まなくてもよくなった。
歩き方はほとんど正常に歩けており、歩くスピードが上がったのを確認。
治療:
曲池・合谷に接触鍼、百会に置鍼し、身体全体のエネルギー調整
股関節アライメント調整、足関節アライメント調整、舟状骨調整、下肢循環調整
治療後、ペインスケール「3」→「1」
患者は違和感程度の痛みが残っていると訴えた。
次回も1週間後の来院を指示し、治療終了。
5診目
患者から「練習中に休憩を挟まず、周りの子たちと同じ練習メニューを行えるようになった。練習後はまだ少し痛み、翌日まで痛みが残っている時がある。」との報告。
ペインスケール「1」のまま維持。
患者は先日、長距離を歩く機会があったようであるが、外脛骨に痛みは感じられなかったようだ。
患者から「最近は外脛骨に痛みが少なくなったのに、右股関節に違和感を覚えるようになった」との訴え。
今回から外脛骨と股関節の治療を平行して行っていく。
治療:
曲池・合谷に接触鍼、百会に置鍼し、身体全体のエネルギー調整
股関節アライメント調整、足関節アライメント調整、舟状骨調整、殿筋弛緩調整
治療後、ペインスケール「1」→「0」
施術室内で再現できる痛みはすべて消失。
患者には新体操の練習中や日常生活で痛みが出る動作を観察するように指示し、それを報告するように伝え、5診目施術終了。
8診目
患者から「練習中の痛みや日常生活での痛みはない。練習後に痛みが出る日もあまりなくなってきた。出たとしても翌日まで残ることはなく、1時間くらいで痛みが引く。」との報告。
ペインスケール「0」のまま維持。
外脛骨を強い圧で触っても、痛みはなし。
股関節の違和感も消失したとのこと。
治療:
曲池・合谷に接触鍼、百会に置鍼し、身体全体のエネルギー調整
股関節アライメント調整、足関節アライメント調整、舟状骨調整、殿筋弛緩調整
次回は2週間後に来院するように指示し、治療終了。
9診目
前回から2週間後の来院。
患者から「練習後の痛みは感じなくなった。今は痛みを気にすることなく、新体操の練習を行えている。」との報告。
ペインスケール「0」のまま維持。
歩行動作や患部の圧痛に問題なし。
治療:
曲池・合谷に接触鍼、百会に置鍼、身体全体のエネルギー調整
股関節アライメント調整、足関節アライメント調整、舟状骨調整、殿筋弛緩調整
今回で有痛性外脛骨を完治とみなし、次回から1ヶ月に1回のメンテナンス期に移行する旨を伝え、治療終了。
「患者さんの口コミ・感想」
Q1、どのような症状でお困りでしたか?
またお困りの症状を治すために、今までどのような治療を受けてこられましたか?
外けい骨が痛くて、新体操で演技をするのがつらかった。
近くの整形外科へ行ったら手術しないと治らないと言われました。
手術は怖いのでそのまま放置するしかなく、新体操をあきらめるしかないと悩んでいた。
Q2、鍼灸治療など、当院来院にあたって心配はなかったですか?
またその心配はどうやって解消しましたか?
鍼がはじめてだったので不安だったが、先生の説明を受けてやってみようと思った。
Q3、当院の施術を受けたときの印象・感想を教えてください。
たった1回ですごく改善されてびっくりした。
先生が「絶対 治します」と言ってくれたのが心強かった。
(患者のお母さまからの感想)
Q4、症状が改善した現在の想いをメッセージ下さい。担当が最高に喜びます。
よくなりました。ありがとうございました!
楽しく新体操ができるようになりました。
先生がすてきでした。
またなにかったら先生に見てもらいたいです。
(患者本人の感想)
お名前:中西葉愛
ご住所:桜井市
ご年齢:13歳
ご職業:中学1年生
「担当からの考察」
今回の患者さんである葉愛ちゃんは、1年以上も有痛性外脛骨の症状に悩まされていました。
病院では手術の話ししか上がらず、葉愛ちゃんはとても不安に思っていたようです。
葉愛ちゃんだけでなくご両親も不安に思っており、まだ小学生の娘に手術をさせるという選択は出来ませんでした。
治療院にも何度か通ったそうですが、効果は感じられず、通院を断念してしまいました。
もう、どのように手を打ってよいか分からず、その後はずっと放置していたようです。
新体操の練習中は痛みがとても強く出るので、練習を30分に1回は休憩を挟まないといけず、練習後は歩くだけでも激痛がありました。
そんな状況にご両親は「新体操を諦めないといけないかもしれない」と考えていたそうです。
当院をHPで知った時は、「本当に治るのかな…」と不安に思っていようですが、有痛性外脛骨の症例数が多く、治療実績が高いという事を信じて、連絡を下さいました。
私は有痛性外脛骨を今まで何度となく診てきており、歩けない程の重度の症例もありました。
その子たちのほとんどが病院で「手術が必要」と説明を受けており、藁をもすがる思いで当院に来る経緯があります。
どこに行っても良くならなかった状況でも、私の治療で良くなっていく様子を毎日のように見ています。
ですので、葉愛ちゃんの場合も絶対に治せる自信がありました。
中学生になる4月までの約3ヶ月間で完治させる事を目標に、毎週土曜日に治療を行いました。
治療回数は計9回、その後にもメンテナンスとして何回か治療を行いましたが、この9回で有痛性外脛骨は完治に至りました。
初めは不安気だった葉愛ちゃんとお母さんでしたが、症状が良くなるにつれ笑顔が増えていった様子が、とても印象的でした。
葉愛ちゃん、これからは思いっきり新体操の練習をがんばれるね!応援してるよ!(^^)!
それでは治療の考察に移ります。
初診時、施術室内で葉愛ちゃんの歩行姿勢を確認しました。
葉愛ちゃんは「歩くのは痛くない」と訴えていましたが、明らかに足をかばって歩いているのが見て取れました。
外脛骨を地面に付かせないように歩いていたため、重心が足の外側に乗っている状態でした。
まずは正常に歩けるように股関節と足関節の調整を行い、外脛骨を床に設置させても痛みが出ないように舟状骨(足の骨)を正常な位置に移動させました。
これを行った後はすぐに歩行時のぎこちなさが大幅に解消されました。
有痛性外脛骨は患部が顕著に盛り上がっているので、患部に焦点を当てやすくなりがちですが、患部だけの治療で良くなる疾患ではありません。
人によっては腹膜や内臓調整、首の治療を行う場合があります。
葉愛ちゃんの場合は股関節と足関節の可動域が悪く、これにより外脛骨の痛みが増幅されていました。
このように、痛みが出ている原因をひとつに絞って考えずに、身体全体を見て
治療をしていく必要があるのです。
私は今まで色んなパターンの有痛性外脛骨を見てきて、初診時にはだいたいどこに原因があるか予測を立てられます。
あとは消去法で根本の原因を突き止めることで、早期の改善に至るのです。
病院で「手術しかない」と言われたからといって、諦めないで下さい。
有痛性外脛骨は完治する疾患です。
いろんな治療をしても治らないのなら、私を頼ってきてほしいと思います。
最後に、
どこに行っても良くならなかった人こそ、「何とかしてあげたい!」という強い想いを持って、私が日々治療に励んでいることを皆さんに知っておいていただきたいです。