症状改善報告
マッサージによって重症化した腰椎椎間板ヘルニアが全快した話
- 腰椎ヘルニア
症例報告
Top Member丸山
「患者」
男性、39歳、自営業
「症状」
腰椎椎間板ヘルニア
「来院日」
平成29年 7月上旬
「来院経緯」
発症は2週間前。
患者はテコンドーの練習中、腰を曲げたと同時にズキッとした鋭い痛みが腰に走る。
激痛のためその場から数分間動けなくなった。
立ち上がる時は壁に手をつき何とか起き上がることが出来たが、腰をまっすぐに伸ばす事は困難であった。
患者は以前にもぎっくり腰を経験しており、今回の痛みも前回同様の痛みであることから、「今回もぎっくり腰だろう」と予測。
翌日、整形外科を受診。
医師から「急性腰痛症(ぎっくり腰)」と診断。
痛み止め薬を処方され、安静にするように指示される。
痛み止め薬を4日間飲むことによって症状は少し緩解したが、まだ腰を伸ばして歩くことができなかったため近所の整骨院を受診。
そこでは電気治療とマッサージを施された。
しかし、うつ伏せの状態で腰を強く指圧された瞬間、足の先まで電流が走る。
足先まで痛みが走ったと同時に腰にも激痛が走り、その姿勢から全く動けなくなる。
その状態から数分をかけて何とか起き上がり、治療は中断し家に帰宅。
翌日の早朝、腰の激痛と足のしびれで目が覚める。
ベッドで横になっていられず座ろうとしたが、座ると足に強いしびれが走った。
数秒も座っていられず立ち上がろうとしたが、自力では立ち上がることが出来なかったため、奥さんの手を借りやっとの思いで立ち上がる。
立位の状態が痛みが最も少ない姿勢だったため、食事も立位で取らざるを得なかった。
長時間の仰臥位(仰向け)が出来なかったため、睡眠は2時間程しかとれなかった。
痛み止め薬を服用し安静にしていれば改善すると思われたが、痛みは一向に治まる気配はなかった。
患者は日中ほとんど立位の状態で過ごし、夜は2時間程しか眠れない日が4日間続く。
いくら安静にしていても激痛が治まらないため、web上で腰痛の治療に特化した治療院を検索したところ、当院のHPにたどり着く。
当院の方針や口コミを見て来院を決意。
「治療経過」
1診目
現在、患者は座位の状態は数秒しか出来ないとのこと。
腰を曲げるだけで、左足に激痛としびれが出るからである。
待合室でも座る事ができないので立った状態で待ち、問診中も座位は出来なかったため、仰臥位の状態で問診を行った。
患者は腰痛と左足のしびれを強く訴えている。
左足は大腿部後面と全面から足先にかけてしびれがあるとのこと。
腰は体勢を少しでも変えると電気が走るような激痛があり、ほとんど動かすことが出来ない。
検査と触診を行う。
腰部と臀部を触ると、左側に明らかな筋肉の緊張と熱感が確認出来た。
明らかな座骨神経痛が出現しており、SLRテスト10°(+)
問診と検査から『腰椎椎間板ヘルニア』と判断。
症状が重度のため数回の治療での完治は難しいと予想されるが、期間をかければ完治は可能であると推測。
患者はこの3・4日間は睡眠を2時間程度しかとれておらず、まずは夜中に仰臥位で睡眠をとれることを第一目標として治療を行っていく。
患者は数分しかベッドに仰向けで寝られないので、治療は側臥位で行う。
治療:
曲池・合谷に接触鍼、百会に置鍼し、身体全体のエネルギー調整
大腰筋・腸腰筋弛緩調整、内臓調整、骨盤アライメント調整
治療後、ベッドから起き上がる動作がスムーズになる。
患者に次回は2日以内に来院するように指示し、1診目施術終了。
2診目
前回から1日後の来院。
患者から「昨日は4,5時間眠ることが出来た。昨日の痛みを10とすると6くらい痛みが解消された。」との報告。
昨日の治療後に仰臥位での痛みが軽減されたことから、睡眠時間が倍以上取れたとのこと。
ただ座位の姿勢は痛みとしびれが伴うようで、本日も待合室で立位の状態で待っていた。
大腿部後面のしびれは薄くなったようだが、依然として大腿部前面~ふともも裏、足先まであるとのこと。
治療:
曲池・合谷に接触鍼、百会に置鍼し、身体全体のエネルギー調整
大腰筋・腸腰筋弛緩調整、内臓調整、骨盤アライメント調整、環跳刺鍼
治療後、仰臥位での腰の痛みは消失。
ベッドから立ち上がる姿勢も昨日よりかなりスムーズになった。
5診目
患者から「夜はぐっすり眠れるようになった。座位も10分程度なら座っていられるようになった。ただしびれはまだある。」との報告。
本日、患者は待合室で座って待っておられた。
長時間の座位は下肢の強いしびれが出てくるようだが、10分から15分なら座っていられる程回復した。
座っていられる時間は伸びたが痛みとしびれはあり、食事はまだ立位で取っているとのこと。
腰部を触診したところ、硬結はまだ確認できたが熱感は消失していた。
第一課題であった睡眠の問題は解消されたので、次の課題は座位で長時間座れる事である。
治療:
曲池・合谷に接触鍼、百会に置鍼し、身体全体のエネルギー調整
腸腰筋弛緩調整、内臓調整、骨盤アライメント調整、環跳刺鍼
治療後、初診時SLRテストが10°で陽性だったのが、30°で陽性になったことからヘルニアが緩解しているのが分かった。
10診目
患者から「車の運転が出来るようになった。ただ普通に座っている時より運転中の方が痛みが強く、20分が限界である。」との報告。
患者は今まで食事は立位で取っていたが、最近は座位で食事が出来るようになってきたとのこと。
車の運転は短時間であれば可能であるが、長時間だと下肢に強いしびれと痛みが現れるとのこと。
治療:
曲池・合谷に接触鍼、百会に置鍼し、身体全体のエネルギー調整
腸腰筋弛緩調整、内臓調整、骨盤アライメント調整、腸脛靭帯弛緩調整、環跳刺鍼
治療後、歩行動作は今までのようにスムーズに歩けるようになった。
初診時に確認された腰部の硬結が消失
次回は4日以内に来院するように指示し、10診目施術終了。
15診目
患者から「太ももの裏から足先までのしびれがなくなった。あとは太もも前面のしびれを伴う痛みがあるだけである。」との報告。
現在、患者が訴えている痛みは大腿部前面のしびれと痛みである。
車の運転のように体を前傾姿勢にすると、そこに痛みが出てくるという。
患者が訴えている大腿部前面を触診したところ、強い圧痛を訴えた。
腰部の痛みは消失したが、長時間座っていると背中に張りを感じるとのこと。
治療:
曲池・合谷に接触鍼、太谿に置鍼し、身体全体のエネルギー調整
腸腰筋弛緩調整、大殿筋・中殿筋弛緩調整、骨盤アライメント調整、下腿循環調整
治療後、下腿前面に確認出来た圧痛が消失。
19診目
患者から「日常で痛みを感じる時が少なくなってきた。車の運転が1時間以上出来たが、太ももの前面は痛みがある。」との報告。
大腿部の痛みはまだあるが、しびれが感じなくなってきたとのこと。
圧痛も確認できないが、長時間の座位で痛みが現れるとのこと。
治療:
曲池・合谷に接触鍼、太谿に置鍼し、身体全体のエネルギー調整
腸腰筋弛緩調整、大殿筋・中殿筋弛緩調整、骨盤アライメント調整、下腿循環調整
治療後、SLR検査は60°で陽性。
腰椎椎間板ヘルニアが確実に改善しているのが分かる。
24診目
患者から「もう以前とほぼ同じ生活をおくれている。最近はテコンドーの練習も行えるようになってきた。」との報告。
最近は長時間の運転も行えるようになってきたとのこと。
ただ大腿部前面に痛みはないものの、筋肉が張っているような違和感は多少あるという。
圧痛は全く確認できなかった。
治療:
曲池・合谷に接触鍼、百会に置鍼し、身体全体のエネルギー調整
腸腰筋弛緩調整、腸脛靭帯弛緩調整、骨盤アライメント調整、下腿循環調整
次回からは3週間に1度のメンテナンス期に入ることを説明し、治療終了。
「患者さんの口コミ・感想」
Q1、どのような症状でお困りでしたか?
またお困りの症状を治すために、今までどのような治療を受けてこられましたか?
ヘルニア
他の病院で治療をしたところ(ギックリ腰)悪化してしまった。
Q2、鍼灸治療など、当院来院にあたって心配はなかったですか?
またその心配はどうやって解消しましたか?
藁をもすがる思いで来院したので心配よりも期待して来ました。
Q3、当院の施術を受けたときの印象・感想を教えてください。
激痛が初めの数回で激減したので最期まで治療していただきたいと思った。
Q4、症状が改善した現在の想いをメッセージ下さい。担当が最高に喜びます!
ありがとうございます!!
(また何かあった時はよろしくお願いいたします。)
お名前:吉田邦彦
ご住所:生駒市
ご年齢:39歳
ご職業:自営業
「担当からの考察」
今回の患者さんである吉田さんは、腰椎椎間板ヘルニアの重症患者さんでした。
私もよくヘルニアの方を診ますが、ここまで重度の方は久しぶりに診ました。
待合室では座ることも出来ず、治療室では上向きの状態で治療することも出来ず、かといって横向きの状態でも痛みで長く保つことが出来ないので初めは治療を短縮して行わないといけませんでした。
睡眠は2時間程しかとれず、歩くだけでも顔をしかめる程の激痛で、当院に来院するだけでも辛かったと思います。
初めは全く座る事が出来なかった吉田さんが、待合室で座って待っている姿を見た時は本当に嬉しかったです。
今ではヘルニアの症状はほとんど消失し、テコンドーに励まれているようで私も一安心しています。
それでは治療考察に移ります。
どんな疾患でも症状が発症したままの状態で来られた場合、治療はたいして難しくありません。
しかし、手術後の後遺症や他の治療院で悪化した症状を治療する場合、治りが悪い事が多いです。
吉田さんも当初はぎっくり腰だった症状が、マッサージにより腰椎椎間板ヘルニアを発症した経緯がありました。
初めの数回で寝れない程の激痛はなくなりましたが、痛みを完全に取りきるまで試行錯誤しました。
治療当初は腰部に熱感と硬結があったため、ヘルニアによる座骨神経痛の治療は後回しにして、腰部を重点的に行いました。
寝れない程の激痛は腰部の炎症によるものだと推測したからです。
そして5回治療したぐらいから腰部の熱感と硬結が消失していき、激痛はなくなりました。
最終的に残った大腿部の前面の痛みは、下腿の血流を促す調整を行ったことで改善し、吉田さんは元の生活に戻ることが出来ました。
今回は完治まで4ヶ月程かかりましたが、病院によれば手術の選択を迫られるほどの重症度でした。
手術をすればリハビリや後遺症の可能性もあった中、当院に縁あって来ていただいた事で手術なしで完治に至りました。
私もとても嬉しく思っています^^
最後に、
どこに行っても良くならなかった人こそ何とかしてあげたい!という強い想いを持って、私が日々治療にあたっていることをみなさんに知っておいていただきたいです。
治療担当 丸山