症状改善報告
【手術困難】三角骨障害は90%治る、医師がお手上げの三角骨障害
- 三角骨障害
症例報告
Top Member 丸山
「患者」
中学生、13歳、女
「症状」
三角骨障害
「来院日」
平成29年 10月中旬
「来院経緯」
患者は幼少の頃よりクラシックバレエを習う。
発症は4ヶ月前。
バレエの練習中、トゥシューズで踊っている時にかかと周辺にチクッとした痛みを感じた。
トゥシューズを脱ぎ、足首のストレッチを行うと痛みは軽減。
患者は特に気にとめず、そのまま練習を続けた。
その日を境に、バレエのレッスン中は必ずかかとが痛むようになる。
痛みに加え、つま先が伸ばしづらいような、足首が詰まっているような違和感もあった。
近所の整骨院を受診。
患部に電気治療や足周辺のマッサージを行った。
治療後、かかとの痛みは軽減。
バレエのレッスン中も痛みはほとんど感じなかった。
しかし、トゥシューズを履いて練習を行うと痛みが再発。
それから約2ヶ月、毎週治療に通ったが痛みは改善せず、だんだんと痛みが増していく一方であった。
スポーツ障害に特化した整形外科をネットで調べたところ、有名な病院が近所にあったので受診。
レントゲン撮影をし、医師から『三角骨障害』と診断をうける。
『一般的な三角骨障害の場合は手術を勧めているが、患者の場合は手術はお勧めしない。なぜなら三角骨のかけらが奥に入ってしまっており、手術が困難である。日常生活に支障がなければ手術はやめた方が良い。』と医師から伝えられる。
『バレエを辞める』『痛みと付き合いつつバレエを続ける』
病院ではこの2つの選択肢しか与えられなかった。
患者はバレエはどうしても辞めたくなかったので、他の治療法をweb上で探す。
当院の三角骨に関する記事を見つけ、HPの「最後の砦」という言葉に惹かれて来院を決意。
「治療経過」
1診目
現在、患者はトゥシューズを履いてバレエはしていないとのこと。
センターレッスンを行うとかかと(三角骨障害)に痛みが強く出るので、バーレッスンを主として練習している。
ポワントが一番痛く、最近ではつま先を伸ばすだけでも痛みが現れるという。
3月にコンクールがあるらしく、練習期間を考慮すると12月までには完治させて1月からは積極的に練習を行いたいというのが患者の要望である。
まず、患部を触診する。
三角骨障害の部分に腫脹や熱感は確認できない。
次に、トゥシューズを履いてもらい痛みを確認する。
写真の赤〇の部分に疼痛を訴えた。
ポワント動作は痛みが強く数十秒しか保つことが出来ないとのこと。
トゥシューズを脱ぎ、つま先立ちをするだけでも赤〇の箇所に痛みを訴えた。
問診と検査法から『三角骨障害』と判断。
私の経験から手術なしでも完治は可能であると推測。
私の考えとして三角骨障害は安静にする必要はないので、バレエの練習を中断する必要はないと伝える。
患者の希望は12月中には治したいとの事であるが、そのためには治療を詰めて来院する事が大事である。
あおの旨を患者とそのご両親に説明し、同意を得てから施術に移る。
トゥシューズでポワントをした時の痛みが一番強いことから、この時の痛みをペインスケール「10」と設定し、治療開始。
(ペインスケールとは痛みを10段階で表わした指標のこと。10に近づくにつれ痛みが増す。患者に数字を示させる。)
治療:
曲池・合谷に接触鍼、百会に置鍼し、身体全体のエネルギー調整
下腿循環調整、下腿内旋変位調整、三角骨アライメント調整
治療後、ペインスケール「10」→「8」
施術後に痛みが軽減したことから、やはり完治は可能であると判断。
あとは治療回数を重ねることが必須であり、それにより治療期間が短くなることが予想される。
次回は4日以内に来院することを指示し、1診目施術終了。
2診目
前回から3日後の来院。
患者から「前回の治療後にバレエのレッスンをした。痛みは同じくらい出ていた。」との報告。
ペインスケール「9」
前回の治療後から痛みが逆戻りしている。
バレエのレッスン開始直後は痛みはなかったようだが、練習を続けると痛みが以前と同じように出てきたとのこと。
治療:
曲池・合谷に接触鍼、百会に置鍼し、身体全体のエネルギー調整
下腿内旋変位調整、三角骨アライメント調整、足関節アライメント調整、アキレス腱弛緩調整
治療後、ペインスケール「9」→「7」
次回も4日以内に来院するように指示し、2診目施術終了。
3診目
前回から3日後の来院。
患者から「痛みは以前に比べ少し和らいだ気がする。しかし痛みまだある。」との報告。
ペインスケール「7」のまま維持。
治療:
曲池・合谷に接触鍼、百会に置鍼し、身体全体のエネルギー調整
下腿内旋変位調整、三角骨アライメント調整、足関節アライメント調整、体幹調整
治療後、ペインスケール「7」→「6」
痛みは確実に引いてはいるが、まだこの状態ではトゥシューズを履いて練習することは出来ない。
次回も5日以内に来院するように指示し、3診目施術終了。
5診目
患者から「だんだんと痛みは取れていっているが、トゥシューズを履いて練習すると痛みが『8』くらい出てしまう。」との報告。
ペインスケール「6」
単純なポワント動作だけだと痛みは「6」であるが、練習をし続けると痛みが「8」にまで悪化するとのこと。
治療:
曲池・合谷に接触鍼、百会に置鍼し、身体全体のエネルギー調整
下腿内旋変位調整、三角骨アライメント調整、足関節アライメント調整、体幹調整
治療後、ペインスケール「6」→「5」
痛みは確実に改善しつつある。
しかし施術室内での痛みは改善しているが、練習中の痛みがまだ『8』くらい出てしまう状況である。
現在が11月初旬で、あと1ヶ月弱で完治させなければならない。
この治りのペースから推測すると、完治までギリギリの日数である。
患者とそのご両親に『今までは1日に1回の施術を行ってきたが、これからは1日に2回の施術を受けるのはどうか』と提案。
短期間で完治させるためには必要なことであり、患者はそれに同意。
次回から1日に2回の予約を取り、5診目施術終了。
6診目(2回施術)
前回から5日後の来院。
患者から「前回から今日までバレエのレッスンがなかったので、痛みはチェック出来ていない」との報告。
今回から1日に2回の施術を行う。
ペインスケール「6」のまま維持。
治療:
曲池・合谷に接触鍼、百会に置鍼し、身体全体のエネルギー調整
下腿内旋変位調整、三角骨アライメント調整、足関節アライメント調整、腸脛靭帯弛緩調整、体幹調整
この調整を1日に2回行う。
治療後、ペインスケール「6」→「4」
ポワント動作での痛みが半分以下に減少。
次回も1日に2回の予約を取るように指示し、施術終了。
8診目(2回施術)
患者から「バレエのレッスン中の痛みが『5』くらいだった。だんだん痛みが引いてきているのが分かる。今まではレッスン後も痛かったがそれはほとんど感じなくなった。」との報告。
今回も1日に2回の施術を行う。
ペインスケール「4」のまま維持。
治療:
曲池・合谷に接触鍼、百会に置鍼し、身体全体のエネルギー調整
下腿内旋変位調整、三角骨アライメント調整、足関節アライメント調整、ハムストリング弛緩調整、体幹調整
この調整を2回行う。
治療後、ペインスケール「4」→「2」
ポワントの痛みはかなり解消された。
しかし、次はポワント動作をすると足首が伸ばしにくいような、詰まったような感覚があると患者は訴えた。
10診目(2回施術)
患者から「レッスン中の痛みは『2』くらいで、とても踊りやすくなっている。トゥーシューズを長時間履いても痛みが強くなることはなかった。調子が良くなっているのが分かるので嬉しい。」との報告。
ペインスケール「2」のまま維持。
初診時、トゥシューズで数十秒しかポワントが出来なかったが、最近では2時間のレッスンも耐えられる程に改善してきているとのこと。
ポワントをした時の足の詰まったような感覚はまだある。
治療:
曲池・合谷に接触鍼、百会に置鍼し、身体全体のエネルギー調整
下腿内旋変位調整、三角骨アライメント調整、足関節アライメント調整、ハムストリング・中殿筋弛緩調整、体幹調整
治療後、ペインスケール「2」→「0」
ポワント動作での足の詰まりが消失。
施術室内で再現できる痛みがすべて消失したので、バレエのレッスン中にどのような動作で痛みが出るかを確認するように伝え、施術終了。
12診目(2回施術)
患者から「レッスン中に痛みを全く感じなかった。トゥシューズでも練習したが、痛いはなく以前と同じように踊ることが出来た。」
ペインスケールは「0」
ポワントでの足関節の詰まりも確認できない。
治療:
曲池・合谷に接触鍼、百会に置鍼し、身体全体のエネルギー調整
下腿内旋変位調整、三角骨アライメント調整、足関節アライメント調整、ハムストリング・大殿筋弛緩調整、体幹調整
この治療を2回行う。
今回の施術で患者の三角骨障害を完治とみなし、次回からは1ヶ月に1回のメンテナンス期に移行する旨を患者に伝え、施術終了。
「患者さんの口コミ・感想」
Q1、どのような症状でお困りでしたか?
またお困りの症状を治すために、今までどのような治療を受けてこられましたか?
三角骨の骨折
他の接骨院でマッサージや電気治療
Q2、鍼灸治療など、当院来院にあたって心配はなかったですか?
またその心配はどうやって解消しましたか?
完治するかどうか心配だったけれど、先生が丁寧に説明してくださったので、心配や不安はなくなりました。
Q3、当院の施術を受けたときの印象・感想を教えてください。
今まで受けた施術の中で一番痛かったけれど、毎回来るたびに良くなっていったのでがまんして足を治そうと思いました。
Q4、症状が改善した現在の想いをメッセージ下さい。担当が最高に喜びます!
今まで足のことを考えると思いっきり踊ることができなかったけれど、ここに来て楽しく思いっきり踊れるようになりました。せっかく治してもらったので、これから、レッスン後のマッサージやケア
を継続して、もっと上手に踊れるように頑張っていきたいと思います。
本当にありがとうございました。
お名前:S・Y
ご住所:大阪府豊中市
ご年齢:13歳
ご職業:中学生
「担当からの考察」
今回の患者さんであるS・Yちゃんの場合、整形で「手術が困難である」と言われる程の三角骨障害をお持ちでした。
私はバレエで三角骨に困っている子達をよく診るのですが、だいたいの子は病院で手術を勧められ、それが嫌で当院に来院するという経緯があります。
しかしS・Yちゃんの場合、手術さえ出来ない状態であり『バレエを辞める』か『痛みと一生付き合う』の2択しか与えられなかったそうです。
12月までにはどうしても治したいとの要望だったので、2ヶ月で完治させる事を念頭に治療を行いました。
途中、思った以上に治りが悪かったこともあり1日の施術回数を2回に増やした事が功を奏し、1ヶ月と20日で完治に至りました。
S・Yちゃんが治療のたびに、痛みがなくなって嬉しそうにしている様子がとても印象的でした。
私も2ヶ月という期間で重度の三角骨障害の子を救うことが出来て、とても嬉しかったです。
それでは治療の考察に移ります。
医師から「三角骨のかけらが奥に入ってしまっているから手術は困難」と言われたみたいですが、治療に関しては従来通りの三角骨調整を行いました。
三角骨の骨折した欠片がどこにあるかなんて表面上だけでは分からなかったので、足関節のアライメントを調整し、三角骨調整を行うしかありませんでした。
でも、それで治療後に変化が出たので「これは治る!」と確信できました。
あとはS・Yちゃんの場合、体幹の軸がかなりぶれていて、裸足でつま先立ちをした状態でも身体がフラフラと揺れていました。
体幹の軸が整っていないとポワントで足関節にかかる負荷が倍増してしまいます。
これにより三角骨の痛みも倍増され、症状が治りにくい状況が作られていました。
患部の三角骨調整と体幹調整を行うことが完治に至った最大の理由です。
私は三角骨は完治する疾患だと捉えています。
それがたとえ病院で「手術しかない」「手術さえ困難だ」と言われるような重度のものだとしてもです。
なので病院で「治らない」と言われている状況でも、あまり悲観せず当院を訪ねてきていただきたいです。
私はそんな方こそ『治してあげたい!』という強い気持ちを持って、日々治療に励んでいることをみなさんに知っておいていただきたいです。
治療担当 丸山