疾患別症状改善報告

REPORT

症状改善報告

【難治性三角骨】1日3回の治療、計8日間で完治、手術しなくて良かった!

  • 三角骨障害

症例報告

Top member丸山

 

「患者」

女の子、17歳高校生、千葉県在住

「来院日」

平成29年 6月上旬

「症状」

三角骨障害、腓骨筋腱脱臼

「来院経緯」

患者は幼少の頃よりクラシックバレエを習う。

 

発症は約6年前。

患者がまだ小学生の頃、バレエの発表会前に毎日3時間以上の練習を行っていた。

いつもより厳しいメニューをこなしていたため、次第に右股関節が痛みはじめる。

しかし患者は痛みを我慢し練習を続け、股関節に痛みを抱えながらも発表会に参加。

 

発表会は無事に終わり、通常練習に戻ったことで股関節の痛みは緩和された。

しかし股関節を庇いながら踊っていたこともあり、次は足首に痛みが出るようになる。

 

バレエシューズで踊ると足首の痛みはあまり感じないが、トゥシューズで踊ると強い痛みを感じた。

特にポワントで足首の痛みが強くなり、思いっきり踊ることが出来なくなった。

 

患者は整形外科を受診。

レントゲンを撮影したところ、医師から『三角骨障害』と診断される。

医師からは「安静にするように。手術の必要は今のところないが、安静にしていても痛みが出るようなら手術をする必要がある。」との所見。

 

患者は約1ヶ月間安静にして過ごす。

安静にしていたことで、バレエの練習を再開した時に三角骨障害の痛みは感じなかった。

しかし練習を続けていると痛みが再発、以前と同じ痛みが出るようになった。

患者と両親は手術を避けたい考えであったので、三角骨障害に特化した鍼灸院をネットで調べ、通院する。

 

通院を続けたことで、三角骨障害の痛みは緩和。

完全に痛みは取れなかったが、練習を続けられるまでになった。

 

それから約6年間、三角骨障害の痛みを抱えつつ何とかバレエを続ける。

コンクールや発表会などの前は練習が過酷になり、足首に痛みが出るのでテーピングや鍼灸院、カイロプラクティックに通い、痛みを誤魔化しながら練習を続けた。

 

そんな折、患者にドイツへのバレエ舞台留学が決まる。

練習も今までより激しくなり、三角骨障害の痛みも強くでるようになった。

ある日の練習中、いつもどおりのレッスンしていたところ、ジャンプをした瞬間に足首に激痛が走る。

患者はすぐに練習を中断し、足首を触ったとこと足首の外側に激痛が走った。

その後は足首に腫れと内出血が現れた。

 

整形外科を受診したところ、医師から「捻挫だろう」との所見。

サポータを着用する事と1ヶ月の安静を言い渡された。

 

1ヶ月の安静とその間は鍼灸院・カイロプラクティックに通院したが、痛みと腫れは全く引くことはなく、練習再開の目途が立たなかった。

 

留学まで3ヶ月を切り、痛みのせいで十分な練習が出来ない状況が続く。

この状況に患者は焦りを感じ、他の治療法についてweb上で検索。

当院のHPにたどり着いたが、遠方の奈良にある治療院であることや治療費・交通費の面を鑑みると、なかなか受診する決心がつかなかった。

 

しかし留学まで2ヶ月を切り、近場の治療院を2・3か所かかったが、一向に良くなる気配がなく、藁にもすがる思いで遠方の当院に通院することを決意。

 

治療経過

患者は遠方からの来院でということで、電話の予約時点で1日3回の予約を取ることを伝えた。

患者は2泊3日で当院に来院し、3日間で計9回の治療予定。

6月5日

現在、患者は歩くだけでも痛みを感じており、足首を伸ばすことが出来ないとのこと。

動いている時だけでなく、安静時でも足首に疼くような痛みがあるという。

 

触診と検査を行う。

足関節内反(-)外反(+)

足関節伸展(+)屈曲(+)

特に外反・伸展位で強い疼痛あり。

腫脹・熱感あり。

いずれの動作も写真の赤〇に痛みを訴えている。

 

触診と検査から『腓骨筋腱脱臼』と判断。

患者は外くるぶしの痛み(腓骨筋腱脱臼)と三角骨障害を同時に治して欲しいとの事である。

しかし腓骨筋腱脱臼の箇所に腫脹と熱感があり、安静時の痛みも訴えている。

この場合は早急に腓骨筋腱脱臼の処置を行うことが優先的であり、その後に三角骨障害の治療を施すことを伝え、患者の同意を得る。

 

バレエの練習を早期に復帰するためには、まず足関節の熱感と腫脹を取ることを第一優先とするので、治療後の動作確認は行わない。

 

治療:

曲池・合谷に接触鍼、百会に置鍼し、身体全体のエネルギー調整

下腿内旋変位調整、足関節アライメント調整、腓骨筋アライメント調整、足関節圧迫・テーピング

 

足関節のテーピングは翌日まで付けておくように指示し、治療終了。

6月6日

患者から「今まで歩くのも痛かったが、テーピングを付けているので、歩く時の痛みはあまり感じなかった。」との報告。

 

昨日より足関節の腫脹が軽減しているものの、まだ腫脹はみられ熱感も確認できる。

テーピングを取ると、動作時痛も現れた。

 

治療:

曲池・合谷に接触鍼、百会に置鍼し、身体全体のエネルギー調整

内臓調整、下腿内旋変位調整、足関節アライメント調整、腓骨筋アライメント調整、足関節圧迫・テーピング

 

本日もテーピングをはずさずに、翌日まで過ごすように指示し、治療終了。

6月7日

患者から「昨日同様、テーピングをしているので歩いている時の痛みはあまり感じない。安静時の痛みが少し和らいだ気がする。」との報告。

 

テーピングをはずし動作時痛を確認したところ、初日に比べ痛みが軽減していることが判明。

特に足関節屈曲位の痛みは消失。

熱感と腫脹はまだあるものの、初日に比べ軽減しているのが分かった。

 

治療:

曲池・合谷に接触鍼、百会に置鍼し、身体全体のエネルギー調整

内臓調整、下腿内旋変位調整、足関節アライメント調整、足関節圧迫・テーピング

 

今回で2泊3日の集中治療を終了。

しかし患者の症状が『腓骨筋腱脱臼』と『三角骨障害』が併発しており、この状態では練習の復帰は出来ない状態である。

患者には次回は出来るだけ早めに来院するように伝え、その間はことらが指導したテーピング法を毎日行うように指示。

次回来院日まではバレエの練習は止めるように伝え、治療終了。

6月13日

今回は1泊2日の予定、2日間で計6回の治療の予定である。

 

患者から「この1週間は毎日テーピングを行った。安静時の痛みは3日前くらいから全く感じなくなった。」との報告。

 

患部を触診したところ、熱感・腫脹ともに確認できず。

テーピングをはずした状態で歩行してもらったところ、歩行時の痛みは消失していた。

 

動作の確認を行う。

足関節内反(-)外反(-)

足関節屈曲(-)伸展(+)

内反と屈曲時の痛みは消失。

 

現在は足関節伸展位で外くるぶし周辺(腓骨筋腱脱臼)の箇所が痛む。

加えて伸展位を行うと今まで気にならなかった踵の痛み(三角骨障害)が痛むという。

これは腓骨筋腱脱臼の痛みが軽減した事で三角骨障害の痛みが明確に感じられるようになったと予測。

 

今回から腓骨筋腱脱臼と三角骨障害の治療を平行して行っていく。

 

治療:

曲池・合谷に接触鍼、百会に置鍼し、身体全体のエネルギー調整

内臓調整、足関節アライメント調整、踵骨調整、アキレス腱調整、足関節圧迫・テーピング

 

治療後、足関節伸展位で外くるぶし(腓骨筋腱脱臼)の痛み消失。

今回もテーピングを施し、翌日まで付けるように指示し、治療終了。

6月14日

患者から「歩行は全く痛まない。バレエシューズを昨日ホテルで履いてポワント動作を行ったが、痛みはあまり感じなかった。」との報告。

 

足関節伸展位で痛みは確認できず、次はつま先立ちをしてもらう。

つま先立ちでも三角骨障害の部位はあまり痛まないとの事なので、トゥシューズを履いた状態で痛みを確認する。

トゥシューズを履いた状態でポワントをしてもらったところ、患者は痛みを訴えた。

この時の痛みの箇所は写真の赤〇(三角骨障害)の部分である。

腓骨筋腱脱臼の箇所は痛みを訴えていない。

 

今回からはポワント動作の痛みをペインスケール「10」と設定し、治療を開始。(ペインスケールとは痛みを10段階で表わした指標のこと。患者に数字を示させる。)

加えてポワントでは写真の黄線のようなまっすぐの角度が良いとされているが、患者はそれが出来ない状況である。

関節の可動域を上げる調整も並行して行っていく。

 

治療:

曲池・合谷に接触鍼、百会に置鍼し、身体全体のエネルギー調整

足関節アライメント調整、股関節アライメント調整、アキレス腱調整、踵骨調整

 

治療後、ペインスケール「10」→「5」

 

今回で1泊2日の集中治療は終了。

腓骨筋腱脱臼の痛みが消失したことから、患者にバレエの練習の許可を与え、その練習の最中にどういった動作で痛むかを確認するように指示。

次回も早めに来院するように伝え、施術終了。

6月20日

今回は2泊3日、3日間で計9回の治療予定である。

 

患者から「バレエの練習をこの1週間行っている。腓骨筋腱脱臼の痛みはなくとても踊りやすい。ただ、三角骨障害の痛みが気になる。」との報告。

 

腓骨筋腱脱臼の痛みは消失し、現在残っているは三角骨障害だけである。

ポワントとルルべの時に痛みが出るようだ。

ペインスケール「5」のまま維持。

 

治療:

曲池・合谷に接触鍼、百会に置鍼し、身体全体のエネルギー調整

足関節アライメント調整、股関節アライメント調整、踵骨調整、アキレス腱調整

 

治療後、ペインスケール「5」→「3」

ポワントの足関節伸展位の角度は10°→5°(0°に近づくほうか好ましい)

 

今回からはテーピングは行わずに、治療を終える。

6月21日

患者から「昨日ホテルの部屋で少し踊ってみた。痛みはまだ少しあるものの、以前と比べて段違いで踊やすい。」との報告。

 

ペインスケール「3」のまま維持。

 

治療:

曲池・合谷に接触鍼、百会に置鍼し、身体全体のエネルギー調整

足関節アライメント調整、股関節アライメント調整、アキレス腱調整、踵骨調整、腓骨調整

 

治療後、ペインスケール「3」→「1」

ポワントでの足関節伸展位5°→0°

ルルべでの三角骨の痛みは消失。

6月22日

患者から「昨日もホテルで少し踊ったが、痛みは全く感じなかった。」との報告。

 

ペインスケール「1」のまま維持。

ポワントでの足関節伸展位は0°

 

治療:

曲池・合谷に接触鍼、百会に置鍼し、身体全体のエネルギー調整

足関節アライメント調整、股関節アライメント調整、アキレス腱調整、踵骨調整、腓骨調整

 

治療後、ペインスケール「1」→「0」

施術室内で再現できる痛みはすべて消失。

 

留学まで1ヶ月を切ったが、痛みをすべて取りきることが出来た。

メンテナンスの意味も込めて、あともう1回は治療に来た方が良い事を患者に説明し、治療終了。

「患者さんの口コミ・感想」

Q1、どんな症状をお持ちでしたか?

三角骨障害、腓骨筋腱脱臼

Q2、鍼灸治療など、当院来院にあたって心配はなかったですか?

また心配はどうやって解消しましたか?

絶対に治るよ!と言われてホッとしましたし、自分でも絶対に治してやると自信を持って通い、またレッスンも少しずつ出来るようになりました。治療院には良い気がながれていました。

Q3、当院の施術を受けた印象・感想などを教えてください。

毎回、丁寧に細かく診ていただき、自分の身体と向き合ってくださり、とても嬉しかったです。

Q4、あなたと同じ様な症状をもった方へなにか勇気が出るメッセージがあればお願いします。

先生と自分を信じれば、必ず良くなると思います!

 

お名前:H・S

住所:千葉県

ご年齢:17歳

ご職業:高校生

「担当からの考察」

今回の患者さんであるH・Sちゃんの場合、小学校から約6年間も三角骨障害に悩まされていました。

この6年間は病院や鍼灸、カイロプラクティック、整形外科など…本当にいくつもの治療院に通い、痛みを騙しながらバレエを頑張っていました。

 

その頑張りのおかげでドイツへのバレエ留学が決まった矢先、怪我をしてしまい練習が全く出来ない状況に追い込まれたのです。

関東周辺のスポーツに特化した治療院には複数通ったにもかかわらず、改善する気配はなく留学への日だけが過ぎていきました。

以前から当院の事を知って頂いていたようですが、遠方という事でなかなか来院する踏ん切りがつかなかったようです。

留学まで2ヶ月をきり、練習も痛みで全く出来ない状況に、流石に焦りを感じたH・Sちゃんは、思い切って当院に電話をかけてくれました。

 

その時に私がちょうど電話に出て、お電話でS・Hちゃんに三角骨障害の治療内容や経過を説明し、それを「はい、はい」と真剣に聞いていた様子を今でも鮮明に記憶に残っています。

 

私は三角骨障害の治療を得意としているので、お電話口で三角骨障害はちゃんと治る疾患である事をS・Hちゃんに伝えました。

そのかいもあって当院に来て下さり、最終的には痛みをすべて取りきる事が出来ました。

 

留学まで日もあまりなく不安な様子のS・Hちゃんが、「バレエのレッスンを再開できました!」と報告してくれた時は私も一緒になって喜んだ事を今でも強く覚えています^^

留学までの短い期間以内に改善したことを心の底から嬉しく思っています。

S・Hちゃん、ドイツでバレエを思いっきり楽しんでね!

 

それでは治療の考察に移ります。

S・Hちゃんの治療は正直に言うと、手こずりました。

電話では『捻挫』と『三角骨障害』と聞いていたので、「すぐに治るだろう」と思っていました。

しかし実際に症状を診てみると『捻挫』ではなく『腓骨筋腱脱臼』ということが判明し、しかも安静時にも痛みが出る程の重度で、歩いただけでも痛みが出ている状況でした。

 

腓骨筋腱脱臼を治さないと三角骨障害の処置に入ることが出来ず、はじめの2泊3日の集中治療は三角骨障害の治療は一切出来ませんでした。

腓骨筋腱脱臼については、治療も大事ですが患部の圧迫とテーピングが一番重要です。

約2週間は毎日テーピングをしてもらい、この処置のおかげで1ヶ月以上痛かった足の痛みは消失したのです。

 

後は私の得意分野である三角骨障害の治療を施すだけです。

三角骨障害といっても人によって根本的な原因は異なるのでそれを見極めて根本治療と患部の微調整を行う必要があります。

 

S・Hちゃんの根本原因は『股関節』でした。

股関節を調整することで三角骨障害の痛みはもちろん、足関節可動域も広がり、ポワントが綺麗に出来るようにもなりました。

後は踵骨と三角骨の微調整を加えただけです。

 

S・Hちゃんは6年間も症状を抱えていたので、この良い状態をキープするためにもセルフケアの仕方はきっちり指導しておきました。

そうでないと以前の状態に戻りやすくなるので、セルフケアはドイツに行ってもすると約束してもらいました。

 

今回は症状が重度で患者さんが遠方からの来院ではありましたが、要望通りの期間で完治に至ることができて私もホッとしています。

最終的にはS・Hちゃんのとびきりの笑顔が見る事が出来て、私にとってはそれが何よりのお礼だな~と思いました^^

 

最後に、

S・Hちゃんのように、どこに行っても良くならなかった人こそ「何とかしてあげたい!」という強い想いを持って、私が日々治療にあたっていることをみなさんに知っておいて頂きたいです。

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