疾患別症状改善報告

REPORT

症状改善報告

お尻まで痛みがあるぎっくり腰は、腰だけ治療しても治らない

  • 慢性腰痛

症例報告

Top Member丸山

 

「患者」

男性、40歳、消防士

「症状」

急性腰痛症(ぎっくり腰)

「来院日」

平成30年 4月上旬

「来院経緯」

発症は10日前。

患者は仕事中に重い荷物を持った際、腰に電気が走ったような激痛を感じる。

痛みでその場からすぐに動くことが出来ず、数分はその姿勢で留まる。

何とか立ち上がったものの背筋を伸ばすことが出来ず、腰を屈めた状態でしか歩けなかった。

その日は何とか仕事を済ませたが、翌日はベッドから起きることも出来ず、寝たきりで1日を過ごした。

 

患者は毎年必ずと言う程、春頃にギックリ腰を発症しており、今回も同じギックリ腰だろうと予測。

いつも2、3日安静にし、ペインクリニックで腰にブロック注射を打ってもらうとすぐに回復していた。

 

患者は「今回も注射ですぐに治るだろう」と思いペインクリニックを受診。

腰に神経ブロック注射を打つ。

 

いつもは注射した数日後には腰の痛みは引いていたが、今回は痛みの改善が見られないどころか日に日に痛みが増していった。

痛みの範囲は広がりをみせ、腰だけだった痛みが左臀部にまで拡大し、痛みの程度も悪化していった。

発症した時と同様に腰を屈めた状態でしか歩けず、仕事はもちろんのこと日常生活に大きな支障が出た。

 

患者は2、3日様子を見たが、全く改善する気配がなかったので整形外科を受診。

腰のレントゲンを撮影したところ、医師から『腰椎椎間板ヘルニア』と診断。

ロキソニンの処方とリハビリへの通院を指示される。

 

患者はリハビリへの通院を考えたが、一刻も早く仕事に復帰したかったこともあり、他の治療についても検討した。

以前、友人のお子さんが腰椎分離症になった時に当院で早期改善した話を思い出し、その口コミを信頼し当院に来院することを決意。

 

治療経過

1診目

患者は長時間座っていることが出来ず、待合室では立った状態で待っていた。

歩行時にも痛みが出るようで、待合室から施術室までの短い距離でも壁に手を付き、ゆっくりとしか歩けていない。

 

触診と検査を行う。

体幹前屈(-)後屈(+)回旋(+)

SLRテスト(-)

FNSテスト(-)

ニュートンテスト(-)

動作時に痛むのは写真の赤〇の位置である。

患部を触ると、筋肉の硬結が確認出来た。

下肢にしびれはなく、臀部は痛みと重ダルさを訴えている。

 

問診と触診から『急性腰痛症(ぎっくり腰)』と判断。

レントゲンでは『腰椎椎間板ヘルニア』との所見であるが、検査したところヘルニアが原因で痛みが出ているとは考えにくい。

この判断をもとに治療を進めていく。

 

現在、患者は歩行時と座位で痛みを訴えているが、特に体幹後屈させた時の痛みが一番強く5°以上※反らすことが出来ない。(※後屈位の参考可動域は30°)

ことの時の痛みをペインスケール「10」と設定し、治療を開始。(ペインスケールとは痛みを10段階で表わした指標のこと。10に近づくにつれ痛みが増す。患者に数字を示させる。)

 

患者は仰臥位に寝ることが出来ないので、側臥位と伏臥位で治療を行う。

 

治療:

曲池・合谷に接触鍼、百会に置鍼し、身体全体のエネルギー調整

内臓調整(腎臓・腸)、腹膜調整、殿筋弛緩調整

 

治療後、ペインスケール「10」→「6」

体幹後屈位5°→10°

壁に手を付かずに歩けるようになり、歩行のスピードも上がる。

 

患者に詰めて来院することで早期の改善が見込める事を説明し、次回は2日以内に来院することを提案し、治療終了。

2診目

前回から1日後の来院。

患者から「歩く時の痛みはかなり軽減した。しかし長時間の座位や椅子から立ち上がる時は痛い。」との報告。

 

ペインスケール「6」のまま維持。

 

治療:

曲池・合谷に接触鍼、百会に置鍼し、身体全体のエネルギー調整

内臓調整(腎臓・腸)、腹膜調整、殿筋弛緩調整、下腿内旋変位調整

 

治療後、ペインスケール「6」→「3」

体幹後屈位10°→20°

歩行時の痛み消失し、歩くスピードが格段に上がる。

 

次回も2日以内に来院するように指示し、治療終了。

3診目

前回から2日後の来院。

患者から「だいぶ調子良く、上向きでも寝れるようになった。

今は椅子から立ち上がる時が一番気になる。臀部はもう痛まないが、腰に痛みがある。」との報告。

 

ペインスケール「3」のまま維持。

患者は待合室の椅子に座って待つことが出来ていた。

座位での痛みも大きく軽減しているようである。

現在は臀部の痛みは消失し、腰部にのみ痛みが出ているようだ。

 

治療:

曲池・合谷に接触鍼、百会に置鍼し、身体全体のエネルギー調整

内臓調整(腎臓・腸)、腹膜調整、殿筋弛緩調整、下腿内旋変位調整

 

治療後、ペインスケール「3」→「0」

体幹後屈位20°→25°

椅子から立ち上がる動作をしてもらったが、多少痛みはあるものの、以前程の痛みはないとのこと。

 

次回も2日以内に来院するように指示し、治療終了。

4診目

前回から3日後の来院。

患者から「仕事は普通に出来ている。しかし重たいものを持つ時は少し腰に違和感がある。」との報告。

 

ペインスケール「0」のまま維持。

椅子から立ち上がる時の痛みも消失したようだ。

 

治療:

曲池・合谷に接触鍼、百会に置鍼し、身体全体のエネルギー調整

内臓調整(腎臓・腸)、腹膜調整、殿筋弛緩調整、下腿内旋変位調整

 

次回は1週間後に来院するように指示し、治療終了。

5診目

前回から7日後の来院。

患者から「仕事中に痛みは感じなくなった。重たいものを持つときも大丈夫である。」との報告。

 

ペインスケール「0」のまま維持。

初診時に見られた腰部の硬結は消失。

 

治療:

曲池・合谷に接触鍼、百会に置鍼し、身体全体のエネルギー調整

内臓調整(腎臓・腸)、腹膜調整、殿筋弛緩調整、下腿内旋変位調整

 

治療後、ペインスケールは「0」で腰部の可動域に問題は見られない。

仕事中にも痛みは出ていない事から、今回で『急性腰痛症』を完治とみなし、次回から1ヶ月に1回のメンテナンス期に移行する旨を伝え、治療終了。

Q1、どのような症状でお困りでしたか?

またお困りの症状を治すために、今までどのような治療を受けてこられましたか?

ギックリ腰(毎年)

Q2、鍼灸治療など、当院来院にあたって心配はなかったですか?

またその心配はどうやって解消しましたか?

心配はなかったです。

Q3、当院の施術を受けたときの印象・感想を教えてください。

痛かったです。(笑)でも、すぐに良くなりました!

Q4、症状が改善した現在の想いをメッセージ下さい。担当が最高に喜びます!

感謝の一言です。

 

お名前:T

ご住所:大阪府

ご年齢:40

ご職業:消防士

「担当からの考察」

今回の患者さんであるTさんの場合、ぎっくり腰をきっかけに一時は痛みのせいで寝たきりになってしまうほどの症状でした。

Tさんによると、これは毎年の事であり、その度にペインクリニックに行き腰にブロック注射を打って痛みを緩和させているとの事でした。

 

しかし、今回はブロック注射でも痛みが引かず、痛みの出方も毎年のぎっくり腰と違っていたようです。

今までのぎっくり腰は腰にだけしか痛みが出なかったのが、今回は臀部にまで痛みが広がり、寝たきりになったのも初めてだったようです。

 

お医者さんには「腰椎椎間板ヘルニアだから、完治まで数か月はかかるだろう。」と言われ、Tさんは愕然としたそうです。

この痛みを数か月も我慢しなければならない事に加え、Tさんは仕事で身体を動かすことが多く、このままでは数か月仕事が出来ないと言われたも同じでした。

 

そんな折、以前お友達から聞いた当院の噂を思い出し、藁にもすがる思いで当院に連絡をして下さいました。

Tさんは歩行するのも大変な状態のなか、電車を何とか乗り継いで当院に来院されました。

 

初診時、Tさんは確かに酷い腰痛でしたが検査したところ、椎間板ヘルニアの可能性は低く、短期間で完治できる事をお伝えしました。

それを聞いたTさんが心底ホッとされていた様子を今でも鮮明に覚えています。

初診でお伝えしたとおり、短期間で腰痛が完治したことを私も本当に嬉しく思っています。

Tさん、本当に良かったですね!

これからは思いっきり仕事を頑張って下さい^^

 

 

それでは治療の考察に移ります。

今回のTさんは完全な『急性腰痛症(ぎっくり腰)』でした。

ではなぜ病院で『腰椎椎間板ヘルニア』と診断されたのでしょう?

 

実は、腰に痛みを抱えていない人でも『隠れヘルニア』がある場合があります。

例えば、腰に痛みがない健康な100人を集めてきて、レントゲンを撮ると数人は椎間板ヘルニアがみつかる場合があります。

健康な人でも実はヘルニアを持っている人がいるのです。

 

実際に痛みが出る人と出ない人の違いは、簡単に言うとヘルニアが神経に触れているかどうかという事です。

痛みがなくてもヘルニアを持っている人がいる理由はこういう事です。

 

Tさんの場合も隠れヘルニアを持っており、レントゲンを撮ってみたらヘルニアがあったので、急性腰痛症(ぎっくり腰)なのに、『腰椎椎間板ヘルニア』と診断されたのです。

でも、これはお医者さんが診断ミスという事ではありません。

お医者さんからすると、レントゲンでヘルニアを見つけてしまったので、そう診断名を付けるしかなかったのでしょう。

 

重要なのはTさんの腰の痛みはヘルニアが原因で起こっていないという事です。

Tさんの腰の痛みは『内臓疲労(腎臓・腸)』でした。

腰の痛みを内臓疲労が関連しているとは想像しにくいと思いますが、東洋医学的に腰と腎臓は密接な関係にあたります。

Tさんの脈や直接お腹を触ったところ、明らかに腎臓が疲労していました。ちなみに腸も疲労していたのでそれも一緒に調整しておきました。

 

5回の治療で行ったのは主に内臓調整で、腰は一切触っていません。

それにも関わらず、病院で数か月かかるだろうと言われた腰痛が約10日間で改善したのです。

もし腰だけを中心とした治療をしていたなら、こんなに早く改善しなかったでしょう。

ぎっくり腰は腰に炎症が起こっている状態なので、腰を直接触っていたなら悪化する可能性が高く、細心の注意が必要になることを患者さんにも知っておいて頂きたいです。

 

今回重要だったのは、病院で受けた『ヘルニア』という診断を鵜吞みにせず、治療できた事が早期改善に至った理由だと思います。

Tさんの仕事復帰のお手伝いを出来て、私も本当に喜んでいます^^

 

最後に、

どこに行っても良くならなかった人こそ「何とかしてあげたい!」という強い想いを持って、私が日々治療にあたっていることをみなさんに知っておいて頂きたいです。

 

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