症状改善報告
上向きで寝る事ができない座骨神経痛が『鉄の棒』で良くなる!?
- 坐骨神経痛
症例報告
Top Member丸山
「患者」
女性、56歳、主婦
「症状」
平成29年 11月上旬
「来院日」
座骨神経痛
「来院経緯」
発症は2ヶ月前。
患者は長時間屈んだ姿勢で草引きをしている際、右足に重ダルさを感じる。
立位で足を曲げ伸ばししたところ、重ダルさが消失したのでその後も草引きを続けた。
その日の深夜、就寝していた患者は右臀部から右太ももにかけて強い痛みを感じ目が覚める。
痛みで居ても立ってもいられず、ベッドから飛び起きた。
立位の姿勢で足のストレッチをしたところ、足の痛みはだんだんと軽減。
患者は「足でもつったのだろう」と思い再び寝ようとしたが、仰臥位(上向き)の状態で長時間寝ていると臀部から太ももにかけてチクチクと刺すような痛みが現れた。
上向きの状態から横向きに体勢を変えたところ、痛みが軽減。
その日から患者は横向きでしか安眠出来なくなる。
睡眠中に無意識で上向きになっている時があり、そのような時は痛みで目が覚めてしまう。
一度痛みが出てしまうと数十分は痛みが引かず、睡眠時間が削られることで日中に眠気に襲われるようになった。
以前から通院しているカイロプラクティック治療院にかかる。
治療者からは「座骨神経痛だろう。」との見解で、毎日通院するように指示を受ける。
6日間連続して通院したが症状に変化は見られず、その間も症状は進行していく。
はじめは仰臥位で寝ている時にのみ痛みが出ていたが、台所で調理をしている時や草引きで屈んでいる時にも症状が現れるようになる。
痛みの範囲も広がりを見せ、臀部から足首にまで広範囲に現れるようになった。
痛みの質も徐々に変化していき、チクチクと刺すような痛みがズキズキと疼くような痛みに変わった。
発症から2ヶ月。
発症した時から症状が明らかに進行し、日常生活に大きな支障が出ている状態である。
痛みのせいで睡眠時間が削られ、家事の最中も痛みに苛まれる状況に患者は辟易し、web上で座骨神経痛の施術に特化した治療院について調べる。
当院のHPにたどり着き、当院の方針や口コミを見て来院を決意。
治療経過
1診目
患者が一番強く痛みを感じる時は上向きの姿勢で寝ている時である。
数分で痛みが現れ、一度痛みが出ると寝返りも出来なくなるとのこと。
痛みの範囲は臀部が一番強く、太ももから足首にかけてシビレを伴う痛みがあるようだ。
触診と検査を行う。
SLRテスト(-)FNSTテスト(-)
ニュートンテスト(-)
体幹前屈(-)後屈(+)回旋(+)
次に触診を行う。
写真の×印(梨状筋部)に強い圧痛を訴えた。
赤〇の箇所はシビレと痛みを訴えている範囲である。
患者は体幹後屈と回旋時、座位から立ち上がる時にも痛みを訴えた。
いずれの場合も写真の×、〇印の箇所に痛みがあるとのこと。
触診と検査から、『梨状筋症候群による座骨神経痛』だと判断。
この判断をもとに治療を進めていく。
現在、患者は痛みのために日常生活に多大な支障があり、実際に身体を診ても重度であることが分かった。
このことから、初めの3週間を週に2回のペースで必ず来院するように伝え、患者の同意を得る。
患者は上向きの姿勢が取れないため、側臥位の状態で治療を行っていく。
治療:
曲池・合谷に接触鍼、百会に置鍼し、身体全体のエネルギー調整
内臓調整、腸腰筋弛緩調整、下腿血流循環調整、アキレス腱弛緩調整
治療後、体幹後屈時の痛みが軽減。
他の動作ではまだ痛みを訴えている。
患者には次回3日以内に来院するように指示し、1診目施術終了。
2診目
前回から1日後の来院。
患者から「治療が終わった後、すごく眠くなった。上向きでは痛くてまだ寝ることが出来ない。」との報告。
体幹後屈時に痛みは軽減しているが、以前として痛みはあるとのこと。
梨状筋部の圧痛あり。
治療:
曲池・合谷に接触鍼、百会に置鍼し、身体全体のエネルギー調整
内臓調整、腸腰筋弛緩調整、下腿血流循環調整、殿筋弛緩調整
治療後、体幹後屈時に痛み消失。
回旋時の痛みも軽減した。
次回も3日以内に来院するように指示し、治療終了。
5診目
患者から「痛みでまだ上向きで寝ることは出来ないが、日常生活で痛む動作が減ってきたような気がする。」との報告。
今まで台所で調理をしている時や草引きの時に痛みとシビれを感じていたが、最近はその痛みが薄くなってきているとのこと。
治療:
曲池・合谷に接触鍼、百会に置鍼し、身体全体のエネルギー調整
内臓調整、腸腰筋弛緩調整、下腿血流循環調整、殿筋弛緩調整、アキレス腱調整
治療後、体幹回旋時の痛み消失。
施術室内で再現できる痛みは仰臥位での姿勢のみとなった。
8診目
患者から「痛みで目が覚める事がなくなった。上向きはまだ怖くて寝る事が出来ないが、寝返りをスムーズに出来るようになった。」との報告。
来院から1ヶ月経過。
日常生活での痛みは消失。
広範囲に出ていた痛みとシビれは収束していき、臀部にのみ現れるようになる。
治療:
曲池・合谷に接触鍼、百会に置鍼し、身体全体のエネルギー調整
内臓調整、腸腰筋弛緩調整、下腿血流循環調整、股関節アライメント調整
治療後、臀部の圧痛を確認したところ、初診時に比べ圧痛の程度が減少していることが確認された。
11診目
患者から「今朝、目が覚めたら上向きの状態だった。臀部に少し違和感と重ダルさがあったが、強い痛みはなかった。久しぶりに上向きの状態で寝ることができていたので嬉しい。」との報告。
患者は久しぶりに仰臥位で寝ることが出来ていたとのこと。
ただ、その後の数十分間は臀部の痛みと重ダルさが続いたようだ。
治療:
曲池・合谷に接触鍼、百会に置鍼し、身体全体のエネルギー調整
内臓調整、腸腰筋弛緩調整、下腿血流循環調整、殿筋調整、股関節アライメント調整
治療後、臀部の圧痛消失。
体幹後屈・回旋いずれも痛みは確認されない。
14診目
患者から「最近は上向きで寝る事ができるようになった。寝返りもスムーズに出来ている。日によって痛みがある日と痛くない日がある。」との報告。
来院から2ヶ月経過。
最近では上向きで寝られる日が増えてきたとのこと。
臀部の痛みは日によって波があり、長時間歩くなど身体をよく使った日は痛みが出やすくなるようだ。
今回から仰臥位(上向き)で治療を進めていく。
治療:
曲池・合谷に接触鍼、百会に置鍼し、身体全体のエネルギー調整
内臓調整、骨盤アライメント調整、恥骨調整、殿筋調整、股関節アライメント調整
治療後、患者は約40分間上向きの姿勢であったが、臀部に痛みや違和感は現れなかった。
症状が大きく改善しているので、次回から10日に1回の間隔で来院するように指示し、治療終了。
17診目
患者から「調子良い。10日間の中で1日しか痛みが出る日がなかった。痛みが出たとしても10分くらいで消失し、後は全く痛くない。」との報告。
患者は痛みが原因で不眠ぎみだったが、今ではそれが解消されたとのこと。
日中に痛みは全く出ていないようだ。
治療:
曲池・合谷に接触鍼、百会に置鍼し、身体全体のエネルギー調整
内臓調整、骨盤アライメント調整、恥骨調整、股関節アライメント調整
次回から2週間に1回の来院間隔にするように指示し、治療終了。
20診目
患者から「痛み全くない。以前のように草引きを長時間しても問題なくなった。」との報告。
現在、患者は痛みなく生活出来ているとのこと。
長時間歩いたりしても、臀部の痛みが再発することはないようだ。
治療:
曲池・合谷に接触鍼、百会に置鍼し、身体全体のエネルギー調整
内臓調整、骨盤アライメント調整、殿筋弛緩調整、股関節アライメント調整、
患者には次回から1ヶ月に1回のメンテナンス期に移行する旨を伝え、施術終了。
「患者さんの口コミ・感想」
Q1、どのような症状でお困りでしたか?
またどのような治療を受けてこられましたか?
おしりが痛くて、上向きに寝れなかった。
Q2、鍼灸治療など、当院来院にあたって心配はなかったですか?
またその心配はどうやって解消しましたか?
来院した時、患者さんがたくさんいたので大丈夫と思った。
Q3、当院の施術を受けたときの印象・感想を教えてください。
ほっこりとする話し方なので、安心してまかせる事ができた。
Q4、症状が改善した現在の想いをメッセージ下さい。担当が最高に喜びます!
初めの鉄の棒をがまんしたのと、手でマッサージしてもらったおかげで、今は上向きに寝れるようになった!
お名前:M・S
ご住所:奈良市学園前
ご年齢:56才
ご職業:主婦
「担当からの考察」
今回の患者さんであるM・Sさんは、2ヶ月にわたり座骨神経痛に悩まされていた状況でした。
治療院にも通ったそうですが、症状は改善されず日に日に症状が増すばかりで、最終的には寝返りをしただけでも痛みで目が覚めたり、家事をしている時にも痛みが現れ、本当にツラい状況でした。
はじめは当院に来院するのも躊躇していたようです。
というのも、この2ヶ月間他の治療院に通院していても良くならない状況だったので、治療院自体に対する不安感や不信感も少しあったようです。
それでも「この痛みを何とかしたい!」という強い想いがあったので当院に勇気をもって来院して下さいました。
私ははじめM・Sさんは診た時、「かなり酷い座骨神経痛だな」と確信しました。
その理由として、触診の際にお尻(梨状筋)を軽く触っただけで足にビリッとした強い痺れが走るとM・Sさんが訴えたからです。
このような場合、座骨神経の圧迫が強く、神経も過敏になってしまっている状態です。
これだと数回の治療では完治に至ることは難しいです。
その事をM・Sさんに正直にお伝えし、今の状態がいかに重度であるか、良くするにはどれくらいの治療期間や頻度が必要か、など今後の治療方針を丁寧に説明することで、M・Sさんの不安を解消していくことに努めました。
初診時の予想通り数回の治療では完治しませんでしたが、1ヶ月後には痛みで目が覚めることはなくなり、2か月後には問題なく日常生活を送れるようになりました。
今では以前と同じ生活をしても、座骨神経痛が再発することはなく、元気に毎日を過ごされています。
本当に良かったです(*^^)v
M・Sさん、これからはどんどん遠出をしていって下さいね!
それでは治療の考察に移ります。
今回の座骨神経痛は梨状筋症候群によるものでした。
梨状筋とは尾骨から大腿骨頭という骨に付着しています。
その梨状筋の下や間を貫通するように走っているのが『座骨神経』です。
梨状筋が何らかの影響で固くなったり縮こまったりすることで、座骨神経を圧迫し、お尻や下肢に痛み・痺れを起こすのです。
M・Sさんも正にこの疾患であり、座骨神経が圧迫されている梨状筋付近を触ると、飛び上がるほど痛がっておられました。
座骨神経痛を治す方法はたくさんあります。
その方の症状に応じて治療方針を決めていくのですが、M・Sさんの場合は患側の右足が極端に冷たく、下肢の血流障害を起こしていました。
このことから、下肢のリンパや血流循環調整を行う必要がありました。
M・Sさんの感想に「鉄の棒をがまんした」や「手でマッサージされた」とあります。
まず鉄の棒ですが、言葉だけを聞くと「鉄の棒!?何をされたんだろう…」と不安に思う人もいるでしょう。
写真は他の患者さんを治療しているところです。
特殊な細い棒を肌に沿って撫でるように使い、リンパや血液循環をよくする調整法です。
これは小さなお子さんからお年寄りまで行える治療になります。
M・Sさんは下肢の血流障害が起きており且つ神経が過敏な状態だったので、はじめは「イタタ」と仰っていましたが、症状が良くなるにつれ痛みは感じなくなっていきました。
次にM・Sさんの感想にあったマッサージについてですが、当院は慰安目的の治療は全く行いません。
M・Sさんに行った調整法を正確に言うと『M・L調整』と言って、骨格や筋肉がロッキングしている箇所を解除していく治療法になります。
M・Sさんの場合は股関節や骨盤がロッキングされており、梨状筋症候群を引き起こしていました。
これをM・L調整で解除し、リンパや循環をよくすることによって重度の梨状筋症候群が完治に至ったのです。
今回のM・Sさんのように座骨神経痛で悩んでいる方は多いです。
何年も患って、いろんな治療をしたにも関わらず良くならないという方も少なくないです。
そんな方が当院にはよく来られますが、90%の確率で良くなっています。
あとの10%は仕事の都合や諸事情などで通院間隔があいてしまい、途中離脱される方です。
私も1回や2回の治療で良くしあげたいのはやまやまですが、ほとんどの場合それは難しいです。
私も通ってくださるからには「本気で治したい」と思っているので、患者さんも当院に来るからには通院して頂く事を念頭に来院して欲しいと思っています。
最後に、
どこに行っても良くならなかった人こそ「何とかしてあげたい!」という強い想いを持って、私が日々治療に励んでいることをみなさんに知っておいていただきたいです。