疾患別症状改善報告

REPORT

症状改善報告

陸上選手が悩む足底筋膜炎は、原因さえ分かれば完治に至る!

  • 足底筋膜炎

症例報告

Top Member丸山

 

「患者」

男児、11歳、小学6年生

「症状」

踵(かかと)の痛み

「来院日」

平成30年 2月下旬

「来院経緯」

患者は陸上競技クラブに所属。種目は短距離。

 

発症のきっかけは1ヶ月前、ジョギング中に左足首を捻った。

足首が大きく腫れあがり、歩く度にズキッとした激痛が走った。

 

翌日、整形外科を受診し、レントゲン撮影を行う。

医師から『左脛骨遠位端骨折』と診断。

20日間のギプス固定を行う。

 

20日後、ギプスを外し、左短下肢装具と松葉杖での生活に移行。

10日間その状態で過ごし、再度レントゲン撮影を行う。

レントゲン所見では骨折していた箇所が改善していたため、短下肢装具と松葉杖を病院に返却。

 

松葉杖を返却後、体育で急に走ったところ、左足の踵(かかと)にズキッとした痛みが走る。

痛みはその場ですぐに引いたが、放課後の陸上クラブで再度走ったところ、同じ痛みをかかとに感じた。

 

患者はすぐに整形外科を受診したが、医師からは「骨折した箇所には異常は見られない」という事であった。

その日は整形外科で電気療法、ふくらはぎや脛にマッサージなどを施された。

しかし病院から帰宅する際も、走った時の痛み程ではないが、踵周辺に違和感があった。

 

翌日の体育やクラブで走るとやはり鋭い痛みが踵に現れ、自分の思うように走る事が出来なくなる。

走った後は歩くだけでも痛みを感じ、踵を地面に着けないように歩く事で痛みを和らげた。

 

それからは4日間、整形外科に通いリハビリを受けたが、症状は一向に収まることはなかった。

日に日に痛みは増していき、走らなくても歩くだけで踵に痛みを感じる程に悪化。

患者は2週間後に陸上クラブの合宿を控えており「このまま治らないと練習に参加するどころか、合宿にさえ行けなくなってしまうのではないか。」と焦燥感に駆られる。

 

患者の兄が当院で治療を受けており、今までは「鍼が怖い」という理由で来院をしなかったが、現状を考えるとそうは言っていられない状況で、患者は当院に来院することを決意。

 

「治療経過」

1診目

患者は歩行時、走行時、ジャンプをした時に踵に痛みが出ると訴えている。

体育の時間は休み、クラブでは出来る範囲で練習をしている。

患者の要望は「2週間後の陸上合宿までに踵の痛みを取ってほしい」との事。

 

まずは患部を触診する。

写真の赤線の箇所の痛みを訴えており、強い圧で抑えると顔をしかめるくらい鋭い痛みがあると訴えた。

歩く度に踵に痛みがあるが、特に歩き始めが痛みを感じるとのこと。

 

問診と触診から『足底筋膜炎』と判断。

この判断をもとに治療を進めていく。

 

足底筋膜炎は完治が可能な疾患であるが、長期的な治療が必要な疾患である。

患者の要望は「2週間後の合宿に参加したい」との事で、それまでに少しでも痛みを和らげるためには、出来るだけ詰めて治療が必要である事を説明し、患者の同意を得る。

 

まずは、最優先で歩行時の痛みを取りたいことから、施術室内で歩いた時の痛みをペインスケール「10」と設定し、治療開始。

(ペインスケールとは痛みを10段階で表わした指標の事。10に近づくにつれ痛みが増す。患者に数字を示させる。)

 

治療:

曲池・合谷に接触鍼、百会に置鍼し、身体全体のエネルギー調整

足関節アライメント調整、足指アライメント調整、下腿内旋変位調整

 

治療後、ペインスケール「10」→「5」

踵を強く押した時の圧痛が減少。

患者の場合は急性の足底筋膜炎であり、この治療の反応から合宿までには痛みを取りきることが出来ると予想される。

自宅で簡単に出来るセルフケアを指導し、毎日行うように伝えた。

 

患者には3日以内に来院するように指示し、治療終了。

2診目

前回から4日後の来院。

患者から「歩く時の痛みはだいぶ軽くなった。ジャンプはまだ痛い。」との報告。

 

ペインスケール「4」。

前回、指導したセルフケアが患者に合っているようで、前回の治療後よりペインスケールが下がっているのが分かる。

 

施術室内で歩行時の動作を確認する。

今までは痛みを避けるために踵を地面に着地させないように歩いていたが、それが見られなくなった。

 

治療:

曲池・合谷に接触鍼、百会に置鍼し、身体全体のエネルギー調整

足関節アライメント調整、足指アライメント調整、下腿内旋変位、アキレス腱弛緩調整

 

治療後、ペインスケール「4」→「0」

歩行時の痛みは消失し、踵の圧痛も確認出来なくなった。

患者には、今後もセルフケアを続けるように指示し、次回も3日以内に来院するように伝えた。

2診目施術終了。

3診目

前回から2日後の来院。

患者から「この2日間、クラブで走っているが前のような痛みは全くない。ただ、練習の後半に違和感を伴う痛みが少し出てくる。」との報告。

 

ペインスケール「0」のまま維持。

歩行時の痛みは全くない。

 

ジャンプをした時に「1」程度の痛みを訴えた。

 

治療:

曲池・合谷に接触鍼、百会に置鍼し、身体全体のエネルギー調整

足関節アライメント調整、足指アライメント調整、下腿内旋変位調整、殿筋・腸脛靭帯弛緩調整

 

治療後、ジャンプ時に確認された痛みは消失。

次回も3日以内に来院するように指示し、3診目施術終了。

 

4診目

前回から3日後の来院。

患者から「日常で痛みを感じる事はない。普通に走ることも出来ている。」との報告。

 

ペインスケール「0」のまま維持。

この3日間はクラブで毎日走っているそうであるが、踵に痛みを全く感じていないとのこと。

2日後に合宿を控えているが、問題なく参加出来そうである。

 

治療:

曲池・合谷に接触鍼、百会に置鍼し、身体全体のエネルギー調整

足関節アライメント調整、足指アライメント調整、下腿内旋変位調整、殿筋・腸脛靭帯調整

 

患者には次回から1ヶ月に1回のメンテナンス期に移行する旨を伝え、4診目施術終了。

「患者さんの口コミ・感想」

Q1、どのような症状でお困りでしたか?

またお困りの症状を治すために、今までどのような治療を受けてこられましたか?

かかとが痛かった。

整形外科で電気とマッサージ

Q2、鍼灸治療など、当院に来院にあたって心配はなかったですか?

またその心配はどうやって解消しましたか?

なかった

Q3、当院の施術を受けたときの印象・感想を教えてください。

親切に痛みがとれるまで、やってくれた。

Q4、症状が改善した現在の想いをメッセージ下さい。担当が最高に喜びます!

走れる嬉しさが分かった。

 

お名前:松浦英司

ご住所:京都府精華町

ご年齢:11

ご職業:小6

「担当からの考察」

今回の患者さんである松浦くんの場合、歩くだけでも踵の痛みが発症している状態でした。

しかも2週間後に合宿を控えており、『合宿に照準を合わして治して欲しい』というのが松浦くんの要望でした。

 

症状をみると『足底筋膜炎』という、なかなか改善が難しい疾患で、私としてはプレッシャーがとてもありました(苦笑)

というのも、松浦くんのお兄ちゃんが同じ『足底筋膜炎』で通院しており、お兄ちゃんの方はもう完治している状況なんです。

お母さんが「丸山先生なら2週間で足底筋膜炎を治してくれるだろう」という期待をして来てくれたので、そりゃあもう「治してみせるよ!」としか言えないですよね!(苦笑)

 

その宣言通り、2週間の治療で歩くことさえ痛かった足底筋膜炎を改善させる事が出来たので、私はホッとしています(´▽`)

ただ、私はこれで治療終了だとは思っていません。

これから陸上を続けていくうえで、身体のメンテナンスが必要であることは絶対だと思うので、これからも度々通院してもらう事になるでしょう。

 

でもとりあえずは、『痛みのない状態で合宿に参加する』という松浦くんの要望を叶える事が出来て、私はとても嬉しく思っています。

松浦くん、本当に良かったね!

 

 

それでは治療の考察に移ります。

まずお伝えしておきたいことは、『足底筋膜炎』という疾患は、今回のように4回で治るという簡単な疾患だと思わないで頂きたいです。

足底筋膜炎で悩むプロのスポーツ選手は多く、それで引退する選手もいるほど完治が難しい疾患なのです。

 

今回の松浦くんの場合は少し特殊で、まず発症期間が短かったことが短期間で治った理由のひとつです。

松浦くんは踵が痛くなってから5日後には当院に来てくれました。

急性の症状は痛みを取りやすく、完治に至るのも早い場合が多いです。

 

2つ目の理由としては、お兄ちゃんが同じ足底筋膜炎で当院に通ってくれていた事です。

松浦くんのお兄ちゃんも陸上選手で、同じく足底筋膜炎を患っていました。

 

お兄ちゃんと松浦くんは足の形や歩き方がとってもそっくりで、「松浦くんの場合も同じ理由で足底筋膜炎が起こっているのではないか?」と予測し、お兄ちゃんと同じ治療を施しました。

そうすると踵の痛みが劇的に良くなり、歩くのさえ痛かった踵の痛みが解消されました。

 

松浦くんの足底筋膜炎の原因は『足指の可動域の悪さ』にありました。

この原因については【2年患った慢性の足底筋膜炎でも完璧に痛みを取りきれる理由とは】という記事に詳しく書いていますので、そちらをご覧ください。

この記事ではタイトル通り、慢性の足底筋膜炎でも治る事が明記しています。(ちなみに松浦くんのお兄ちゃんの症例記事です)

 

足底筋膜炎は人によって原因がさまざまで、その原因を見つけるのが難しかったり、時間を要したりします。

でも今回はその手間がなかったので、完治まで最短距離で到着できたのです。

 

『足底筋膜炎』はスポーツ選手が発症すれば、選手生命が危ぶまれるような難治性の疾患と言われていますが、どこが原因かを突き止め、それを治療できる技術さえあれば完治に至る疾患です。

当院では90%以上の高確率で、それを可能にしています。

どこに行っても良くならなかった人こそ、私は当院に来て頂きたいと思っています。

 

最後に、

どこに行っても良くならなかった人こそ「何とかしてあげたい!」という強い気持ちを持って、私が日々治療に励んでいる事をみなさんに知っておいて頂きたいです。

 

 

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