疾患別症状改善報告

REPORT

症状改善報告

テニス肘と診断されたが悪化、その理由は診断が間違っていたから

  • テニス肘

症例報告

Top Member丸山

「患者」

女性、44才、事務職

「症状」

テニス肘

「来院日」

平成29年8月下旬

「来院経緯」

発症は1年前。

患者は職場のドアで右肘を強打する。

肘を強打した時、指先までビリッと電気が走るような痛みを感じた。

 

その後、右肘を曲げ伸ばしした際に痛みが出るようになった。

患者はこの肘の痛みは打撲の痛みだろうと考えた。

安静にしていれば治るだろうと思い、1ヶ月間痛みを放置する。

 

しかし1ヶ月を経ても、肘の痛みは治まる気配は全くなかった。

患者は整形外科を受診。

医師から「テニス肘」と診断される。

ステロイド注射を腕に打ってもらったところ、肘の痛みが緩和。

それから3ヶ月は多少痛みを感じる時はあるものの、生活に支障はなかった。

 

しかし3ヶ月後、肘の痛みが再発。

患者は再び整形外科を受診。

医師から「ステロイド注射はもう打つことは出来ない」と言われ、代わりに麻酔注射を打ってもらった。

その後の治療については特に指導されず、医師からは「後は自分でストレッチをしなさい」と指示された。

 

患者はYoutubeで腕や肘のストレッチを調べ、それを参考に毎日かかさずストレッチを行った。

しかし、肘の痛みは悪化。

今までは肘を曲げ伸ばしする時だけ痛みが出ていたのに、それ以外の動作でも痛みが出るようになった。

日に日に痛みは増していき、痛みの範囲も肘から腕全体に広がっていった。

 

発症から1年。

日常生活、仕事にも支障が出るほどにまで症状が悪化。

歯を磨く、髪をとかす、鞄を持つ、字を書く…等。

腕を使うすべて動作で腕全体に強い痛みを感じるようになった。

 

病院に行くも麻酔しか打ってもらえず、1年前に比べ明らかに悪化している状態である。

このままでは利き手の右手が使えなくなるのではないか、と危惧した患者はweb上で口コミの良い治療院を探した所、当院の存在を知る。

当院の治療方針や口コミなどを見て、来院することを決意。

「治療経過」

1診目

現在、患者は腕を動かす動作はすべて痛みを感じている。

それに加え、じっとしている状態でも疼くような痛みを感じる時もあるという。

患者の希望は「とにかく痛みからの解放、普通に腕を動かしたい」とのことである。

 

患者の腕を触診する。

患者は右腕全体に痛みを訴えているが、特に赤〇の箇所に強い痛みと圧痛を訴えた。(上写真参考)

 

赤〇の箇所を触ると、健側の左腕に比べ明らかな筋肉の緊張が確認出来た。

 

患者は以前、医師から「テニス肘」と診断されたそうであるが、現在の患者の状態ではテニス肘だけの痛みとは考えられない。

触診、症状、発生機序から「コンパートメント症候群」も発症していると考えられる。

患者には現在家で行っているストレッチはすべて中止するように指示し、当院の治療に専念するように伝えた。

 

現在、患者はどんな動作でも痛みが現れるが、肘の曲げ伸ばしをするときに一番痛みが現れるとのこと。

この時の痛みをペインスケール「10」と設定し、治療を開始する。

(ペインスケールとは痛みを10段階で表わした指標のこと。10に近づくにつれ痛みが増す。患者に数字を示させる。)

 

治療:

曲池・合谷に接触鍼、百会に置鍼し、身体全体のエネルギー調整

女性ホルモン調整、内臓調整、橈骨アライメント調整、上腕二頭筋筋膜調整

 

治療後、ペインスケール「10」→「6」

肘の曲げ伸ばしがスムーズに出来るようになった。

 

患者に次回は4日以内に来院するように指示し、治療終了。

2診目

前回から3日後の来院。

患者から「痛みが半分以下になった。じっとしている時の疼くような痛みがなくなった。」との報告。

 

今までは寝ている時などに疼くような痛みがあったそうであるが、治療後からそれが全く現れなくなったとのこと。

肘の曲げ伸ばしはまだ痛む。

手をグーパーする時にも肘に痛みが出るとのこと。

ペインスケール「5」

 

治療:

曲池・合谷に接触鍼、百会に置鍼し、身体全体のエネルギー調整

女性ホルモン調整、内臓調整、橈骨アライメント調整、上腕二頭筋筋膜調整、肩甲骨アライメント調整

 

治療後、ペインスケール「5」→「3」

手をグーパーするときの肘の痛みが消失。

3診目

前回から3日後の来院。

患者から「治療した次の日は痛みが全くなく、治ったと思った。しかし、今日仕事したらまた痛みが出てきた。」

 

前回の治療後は肘の調子は良かったが、仕事でホッチキスをとめる時に痛みが現れたとのこと。

ペインスケール「3」

 

治療:

曲池・合谷に接触鍼、百会に置鍼し、身体全体のエネルギー調整

女性ホルモン調整、橈骨アライメント調整、肩甲骨アライメント調整、上腕二頭筋筋膜調整

 

治療後、ペインスケール「3」→「1」

痛みの出る範囲が狭くなっているのが分かる。(下写真参考)

5診目

患者から「腕の調子が良い、今までは腕を使うと常に痛みがあったが最近は限られた動作でしか痛みが出ない。昨日は歯磨きをしている時に痛みが出た。」との報告。

 

ペインスケール「1」

このペインスケール「1」は肘の曲げ伸ばしをした時の痛みであるが、痛みというより違和感程度であるとのこと。

 

治療:

曲池・合谷に接触鍼、百会に置鍼し、身体全体のエネルギー調整

女性ホルモン調整、橈骨アライメント調整、肩甲骨アライメント調整、棘下筋筋膜調整

 

治療後、ペインスケール「1」→「0」

施術室内で再現される痛みはすべて消失。

患者には日常で痛みが出る動作を確認してもらい、次回来院時にそれを伝えるように指示した。

 

 

7診目

患者から「日常で肘の痛みが出ること全くない。しかし仕事後に腕が疲労しているような重ダルさを感じる時がある。」との報告。

 

ペインスケール「0」のまま維持。

仕事後に感じる腕の重ダルさの場所はあいまいでどこに感じるかは明確ではないとのこと。

 

治療:

曲池・合谷に接触鍼、百会に置鍼し、身体全体のエネルギー調整

女性ホルモン調整、肩甲骨アライメント調整、手関節アライメント調整、上腕・前腕筋膜調整

9診目

患者から「痛みは全く出ていない。仕事後にあった腕の重ダルさもなくなった。」との報告。

 

ペインスケール「0」のまま維持。

圧痛や運動痛も確認できない。

 

治療:

曲池・合谷に接触鍼、百会に置鍼し、身体全体のエネルギー調整

女性ホルモン調整、橈骨アライメント調整、肩甲骨アライメント調整、前腕・上腕筋膜調整

 

患者には次回から1ヶ月に1回のメンテナンス期に移行する旨を伝え、9診目施術終了。

「患者さんの口コミ」

Q1、どんな症状をお持ちでしたか?

テニス肘と診断されて、肘の曲げ伸ばしが困難でした。

Q2、鍼灸治療など、当院来院にあたって心配はなかったですか?

また心配はどうやって解消しましたか?

鍼灸はやってみたいと思っていました。

心配はありませんでした。

Q3、当院の施術を受けた時の印象・感想などを教えてください。

最初にいただいた説明書に信じていれば自分の力で治せるといった事が書いていて自分でもがんばろうと思いました。

施術は痛いものは少なく気持ちよかったです。

Q4、あなたと同じ様な症状をもった方へなにか勇気が出るメッセージがあればお願いします。

おまかせして自分でも治るイメージをすれば良いと思います。

 

お名前:H・H

住所:橿原市

ご年齢:44才

ご職業:事務

「担当からの考察」

今回の患者さんであるH・Hさんは痛みを1年間も我慢されている状況での来院でした。

H・Hさんは1年間何も治療をせずに過ごしたわけではなく、病院にも通院し、ストレッチも毎日かかさず行っていたそうです。

しかし痛みは増していき、最終的には腕をふつうに動かすことが出来なくなってしまいました。

 

痛みが明らかに増したきっかけは、youtubeで見たストレッチをしてからだったそうです。

H・Hさんはこのストレッチは自分に合わないと思い、他の動画も見てたくさんのストレッチを何ヶ月も試したそうです。

 

そして初診の際に、私がH・Hさんの右腕を触診したところ、右腕の上腕がパンパンに張っていました。

健側の左腕と触り比べるとそれは明らかでした。

 

病院では以前「テニス肘」と診断されたそうで、確かにテニス肘の症状が出ていました。加えて、現在は「コンパートメント症候群」も同時に発症していました。

 

コンパートメント症候群の発症のきっかけは、患者が問診時に言っていた「腕をドアで強打したこと」だと思われ、それが毎日の過度なストレッチにより慢性コンパートメント症候群になったと考えられます。

このことから初診時の際に患者にはストレッチをすべてやめるように指示し、当院の治療に専念するように伝えました。

 

第一にコンパートメント症候群の治療を優先しました。

なぜなら、腕を動かしていない時にも疼くような痛みが現れるとのことで症状が深刻化している可能性があったからです。

 

治療法としては「筋膜弛緩調整」というものを施しました。

最近は本やテレビなどで「筋膜リリース」といった言葉をよく見かけますが、それとは全く異なります。

筋膜リリースとはいわゆるストレッチ、テニスボールなどの道具を用いてトリガーポイントと呼ばれる圧痛点を刺激する方法なのですが、コンパートメント症候群にとってそれは悪化の原因になります。

 

私が今回施した「筋膜弛緩調整」は弱刺激かつ効果絶大な治療法です。

現に、1年間も続いた腕の痛みが7回目の治療後には痛みはほぼない状態にまで改善していました。

後は手関節や肩関節の微調整をすることでテニス肘も完治に至ったのです。

 

はじめのH・Hさんの要望は【ふつうに腕を動かしたい】ということでした。

健康な人が聞いたら「そんな当たり前なことを」と言ってしまいそうな事ですが、これは痛みに悩んでいる方なら共感するはずです。

今まで普通に出来ていた事が出来なくなるのは、とても精神的にストレスになると思います。

それは当院にはじめて来られる方の大半が抱えている事です。

 

最後に、

私はそんな人こそ何とかしてあげたい!という強い想いを持って日々治療に励んでいることを、みなさんに知っておいて頂きたいです。

 

治療担当 丸山

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