症状改善報告
【要手術】有痛性外脛骨が4年間続いた女子、5回の治療で完治
- 有痛性外脛骨炎
症例報告
Top Member丸山
「患者」
中学生、15歳、女の子
「来院日」
平成29年 3月下旬
「症状」
有痛性外形骨、シンスプリント
「来院経緯」
患者は陸上部に所属。短距離選手。
陸上は小学生の頃から続けている。
発端は4年前。
短距離の練習をしている最中に右足の土踏まずのあたりに引きつるような痛みが走る。
走っている最中に痛みを感じていたが、患者はそのまま練習を続けた。
家に帰り痛みが出ていた箇所を見ると、健側の左足に比べ右足の骨が出っ張っている事に気付く。
その骨の箇所を触るとビリッとした痛みが走った。
翌日から、練習で走るたびに鈍い痛みが土踏まずのあたりに感じるようになる。
走れない程の痛みではなかったが今まで通りには走る事が出来ない状態だったため、両親に相談したところ病院に行くことになり、整形外科を受診。
医師より「有痛性外脛骨」と診断。
「現段階では手術の必要はないが、これ以上痛みが悪化した場合手術をする必要がある」とのこと。
これ以上の悪化を防ぐために、近所の整骨院に通い治療を始める。
マッサージや電気治療、テーピングを行う。
治療後に練習をしたところ痛みが少し取れていた。
しかし、練習後には痛みがぶり返し、また同じ状態に戻っていた。
それから患者は練習で有痛性外脛骨が痛くなっては整骨院に通い、痛みを和らげるという対処療法を繰り返す。
患者は中学生になり、練習のメニューがハードになった事をきっかけにシンスプリントを発症。
医師からは「部活を休むように」と指示されたが、患者の通う学校は陸上の全国常連校であり、なかなか練習を休む事は出来なかった。
整体やカイロプラクティックに通いながら痛みをその場だけでも和らげることで、練習を続けた。
しかし、シンスプリントは悪化し両側の足にシンスプリントの症状が出るようになった。
シンスプリントを庇いながら練習を続けていたため、有痛性外脛骨の痛みが悪化。
今までは走る時のみに痛みが出ていたが、歩くだけでも強い痛みが現れるようになる。
病院を再度受診。
医師より「手術の必要あり」と診断。
患者は全国大会を目指しており、手術をするならリハビリ期間の事も考え、1ヶ月以内には手術をする必要があった。
そんな折、知人から奈良に評判の良い治療院があるという噂を聞く。
患者は4年前から病院、整体、整骨院、鍼灸、カイロなど様々な治療院に通い、結局は完治しなかったが、手術を決行する前に「物は試し」と思い、当院に来院する事を決意。
「治療経過」
1診目
患者は身体の複数の場所に痛みを訴えている。
病院で診断された『有痛性外脛骨』『シンスプリント』の他に、『両大腿部の裏側の痛み』と『背中・腰の痛み』があると訴えている。
患者の希望は出来れば外脛骨の手術を避けたいという事であったので、まずは外脛骨の治療を第一にする旨を伝えた。
まずはじめに、外脛骨を触診。
健側の右に比べ、左は明らかな骨の突出が見られた。
弱い圧を加えただけで患者は痛みを訴えた。(下写真参考)
施術室内を裸足で歩いてもらったところ、外脛骨の周辺に強い痛みを訴えた。
患者の症状は確かに重症ではあるが、私の今までの経験から手術の必要性はないと考えられ、加えて短期間の集中治療で完治が可能であると判断。
患者にはその旨を伝え、出来るだけ治療を詰めて受けるように指示した。
治療:
曲池・合谷に接触鍼、百会に置鍼し、身体全体のエネルギー調整
足関節アライメント調整、足根骨アライメント調整、アキレス腱弛緩調整
治療後、施術室内を歩いてもらったところ、痛み消失。
圧痛はまだあるものの、治療前に比べると格段に減ったとの訴え。
患者には練習中に外脛骨がどのようにして痛むのかを観察するように指示し1診目施術終了。
2診目
前回から4日後の来院。
患者から「治療後に練習してみた。今までの感覚と全然違う。痛みはまだあるものの、すごく走りやすくなった」との報告。
有痛性外脛骨を触診。
圧痛は少し確認出来るものの、違和感程度であるとのこと。
足関節アライメント調整、足根骨アライメント調整、下腿内旋変位調整、アキレス腱弛緩調整
治療後、施術室内を走ってもらい疼痛を確認。
治療前に見られた引きつるような痛みが消失。
外脛周辺の圧痛を確認したが、それも消失していた。
次回も5日以内に来院するように患者に伝え、2診目施術終了。
施術室内を歩いてもらい、疼痛の度合いを確認したが歩行での疼痛は確認できなかった。
次に走った状態での疼痛を確認。
外脛骨の周辺に引きつるような痛みが確認できた。
治療:
曲池・合谷に接触鍼、足三里に置鍼し、身体全体のエネルギー調整
足関節アライメント調整、足根骨アライメント調整、アキレス腱弛緩調整
治療後、走った際の疼痛を確認。
治療前は外脛骨の周辺に引きつるような痛みを訴えていたが、その疼痛は消失。
施術室内で再現できる痛みがすべて消失したので、患者には運動中のどのような動きで痛みが出るかを観察するように伝え、2診目施術終了。
3診目
前回から4日後の来院。
患者から「走る時の外脛骨の痛みは消失したが、ハードル練習で強くジャンプすると痛みがあった」との報告。
今回から外脛骨の治療に加え、シンスプリントの治療も同時進行していくことにする。
施術室内でジャンプをしてもらったが、現在は外脛骨に痛みはないとのことである。
現段階では痛みがみられないので、治療後の変化の確認は行わず施術を進めていくことにする。
その代わりに、ジャンプをした際に両シンスプリントに痛みがあるとの訴え。特に左足のシンスプリントに強い痛みが出ているとのこと。
治療:
曲池・合谷に接触鍼、百会に置鍼し、身体全体のエネルギー調整
足関節・股関節アライメント調整、足根骨アライメント調整、下腿内旋変位調整、アキレス腱弛緩調整
治療後、ジャンプをした際に痛みが出ていたシンスプリントの痛みが半減。
患者から「シンスプリントの痛みがここまで引くのは久しぶりである」との訴え。
患者には次回も5日以内に来院するように指示し、3診目施術終了。
4診目
前回から4日後の来院。
患者から「外脛骨の痛みはほとんど感じず、ハードルの練習をした時も大丈夫であった。触ると少し痛む程度である。シンスプリントも痛みはあるものの、以前程ではない」との報告。
患者は外脛骨の手術の予約を入れていたそうであるが、痛みはほとんど感じなくなったので、手術の予定を白紙にしたとのこと。
外脛骨の痛みは運動中にはもう現れないもよう。
触ると少し痛みが出るとのことであるので、触診したが特に痛みは確認できなかった。
強い圧を加えたところで、軽い痛みが外脛骨の周辺に確認出来た。
今回も外脛骨の治療に加え、シンスプリントの治療も行っていく。
治療:
曲池・合谷に接触鍼、百会に置鍼し、身体全体のエネルギー調整
足関節・股関節アライメント調整、足根骨アライメント調整、下腿内旋変位調整、腸腰筋弛緩調整、アキレス腱弛緩調整
治療後、外脛骨に強い圧を加えて痛みを確認したが、痛みは全く確認できなかった。
5診目
前回から5日後の来院。
患者から「外脛骨の痛みは全くなくなった。どれだけ走っても大丈夫だった」との報告。
今回からはシンスプリントの治療を重点的に行い、加えて太ももの裏の痛みや背中の痛みの治療に移る。
治療:
曲池・合谷に接触鍼、百会に置鍼し、身体全体のエネルギー調整
腸腰筋弛緩調整、下腿内旋変位調整、アキレス腱弛緩調整、骨盤アライメント調整
今回で有痛性外脛骨の治療を終了とした。
患者には次回も4日以内に来院することを伝え、5診目施術終了。
「患者さんの口コミ・感想」
Q1、どんな症状をお持ちでしたか?
シンスプ、外けい骨
Q2、鍼灸治療など、当院来院にあたって心配はなかったですか?
また心配はどうやって解消しましたか?
特になし
Q3、当院の施術を受けた時の印象・感想などを教えてください。
治らないと思っていたシンスプも痛みが引いてきて、外けい骨も手術せずに済んだのでとても嬉しいです。
Q4、あなたと同じ様な症状をもった方へなにか勇気が出るメッセージがあればお願いします。
私と同じ症状をもっている人は「休めないと痛みはとれない」と思いがちだと思いますが、ここの施術を受けたらきっと治ります。
お名前:江戸 玲来
住所:大阪
ご年齢:15
ご職業:学生
「担当からの考察」
今回の患者さんである玲来ちゃんは、4年も前から有痛性外脛骨に悩まされ遂には手術という選択肢を視野に入れている状態での来院でした。
その他にもシンスプリントを2年間も患っており、病院では原因不明と言われた太ももの裏の痛みを抱えていました。
もちろん、今まで治療という治療は何でも試してきたという事で、病院や整骨院は何カ所も回ったそうです。
しかし、一時の痛みの軽減はするものの完治には至らず、痛みが出るたびに治療院に通い、陸上を続けていたのです。
玲来ちゃんは陸上の全国大会に出る実力はあるものの、痛みのため自分の実力が思いっきり出せない状態が続いており、最終手段の手術を考えてしました。
当院に来る前に、治療の予約をするためのお電話を私が受けたのですが、「本当に何カ所も回って良くならなかったんです」というお話を伺っていたので、どんな酷い症状なのだろうと思っていました。
しかし、実際に見たところ確かに外脛骨の疼痛の度合いは酷く、骨の突出もかなり見られましたが、私の今までの経験から「手術は必要ない」と初診の時点から判断しました。
外脛骨の治療はアライメント治療が重要です。
アライメント治療とは、足根骨や足関節の骨を元の位置に戻してあげる事です。
ただ、このアライメント治療とは角度や圧の加減などミリ単位の調整法であるので、卓越した技術を持っていないと、なかなか改善が難しいです。
その調整を毎回丁寧に行った結果、治療回数5回という短期間で痛みが消失していきました。
外脛骨に悩んでいる子ども達は当院によく来ます。
その子たちのほとんどは病院で手術を勧められた経験がありました。
しかい、その子たちは手術をしなくても当院の治療で完治に至る割合は9割以上でした。
病院では外科的な方法で痛みを取る事が出来るというだけで、外科的な方法でなくとも痛みを取る手段なんてたくさんあるのです。
私は手術を否定している訳ではありません。
その子達が今後も外脛骨の再発を危惧しながら運動するのであれば、スパっと手術をしたら良いと思っています。
私が言いたいのは、手術しかないと言われたほとんどの子が、それ以外の選択肢がないと思い絶望する子が多いのがとても残念なのです。
他の治療法なんてたくさんあり、絶望する必要は全くないのです。
玲来ちゃんも4年間も治療を続け、やっと当院に辿りつき、そして痛みから解放されました。
外脛骨の治療が終わった後も当院に通い続け、その結果8月の全国大会に出場し惜しくも全国3位という結果でしたが、来年は今よりもっと良いコンディションになっているでしょうから、玲来ちゃんはもっと上を目指せるでしょう。
本当に良かったと思います^^
最後に、
どこに行ってもよくならなかった人こそ何とかしてあげたい!という強い思いを持って私が日々治療に励んでいる事をみなさんに知っておいていただきたいです。