症状改善報告
2年間いろんな薬や漢方を試しても治らなかった更年期障害が3ヶ月の治療で完治した話
- 月経前症候群・PMS
症例報告
top member丸山
「患者」
62歳、女性、主婦
「来院日」
平成29年5月初旬
「症状」
更年期障害
「来院経緯」
患者の症状は、2年前の引っ越しで周囲の環境が変わった事をきっかけに発症。
身体がだるく、動悸や息切れをよく起こすようになり、いくら睡眠をとっても疲れがとれなくなった。
患者は「引っ越しの疲労がまだとれず、周囲の環境にまだ馴染めていないから身体が疲れているのだろう。」と思い、とりあえずは様子をみることにした。
しかし症状は日に日に重くなり、今までの症状に加え新たな症状も出現するようになった。
不安感に襲われることが多くなり、気分の浮き沈みが激しく、何もしていないのに涙が出る。
耳鳴りとめまいが頻繁にあらわれ、遂には睡眠がわずかしかとれなくなってしまった。
夜に睡眠がとれないため日中眠くなることがよくあり、フラフラしながら家事をすることが多くなった。
発症から3ヶ月後、患者は自身の症状が何らかの病気で起こっているのではないかと不安になり、病院を受診。
総合内科を受診したが、婦人科に行くように勧められた。
婦人科を受診したところ、医師より「更年期障害」と診断され、漢方薬を処方される。
漢方薬の服用をはじめた結果、症状はかなり緩和。
服用後半年は身体の調子が良く、外出の頻度が上がり、以前の生活を送る事が出来ていた。
しかし、その後は漢方薬の効きが悪くなり、症状が再発。
病院に再度行き、違う漢方薬を処方されたが症状の回復は見られなかった。
この間、患者は不眠症に陥り全く寝ることが出来なくなる。
病院で睡眠導入剤を処方され、それを毎日服用することで約5時間程度睡眠をとれるようになった。
更年期障害の症状は相変わらず回復せず、以前の状態に逆戻りし、外出の頻度は極端に減った。
病院に行っても違う薬の処方や心療内科を勧められるだけで、根本的な症状の治療をしてくれないと悟った患者はweb上で他の治療法について調べる。
婦人科疾患の治療について記載された当院のブログを見て、来院を決意。
「治療経過」
1診目
問診時、患者は不眠・不安感があることを強く訴えた。
1日の中で気分の浮き沈みが激しく、感情がよく高ぶり涙がふいに出てきてしまい、落ちつきもなくなった。
患者は「自分でも自身が情緒不安定なのが分かるので辛い。」と訴えた。
患者の症状は発症から2年が過ぎ、更年期障害の症状の度合いも軽くない。
患者には「この症状は1回だけの治療では残念ながら治らない。更年期障害のほかにも自律神経症を併発している可能性がある。初めの数回の治療は症状の変化は少ないものだと思っていてください。しかし3ヶ月後には身体はすごくらくになっているでしょう。」ということを伝えた。
患者はすぐにでも症状を軽くしたい要望であったが、この説明に納得。
患者の納得を得た上で、治療を開始。
治療:
曲池、合谷に接触診、足三里に置鍼し、身体全体のエネルギー調整
ホルモン調整、胃調整、脳脊髄液循環調整
更年期障害の治療は、施術直後に必ずしも変化が出るわけではない。
施術後の症状の確認は行わず、治療を進めていくことにする。
患者には1週間に1回のペースで来院するように伝え、治療終了。
2診目
前回から1週間後の来院。
患者から「前回の治療後に少し身体が怠くなった。症状は特に変化なし」との報告。
治療:
曲池・合谷に接触鍼、中府に置鍼し、身体全体のエネルギー調整
ホルモン調整、胃・肺調整、脳脊髄液循環調整、頸椎調整
2診目施術終了。
4診目
患者から「症状は出ているものの、なんとなく身体がいつもと違う。体力が戻ってきたような気がする。」との報告。
現在、患者は毎日睡眠導入剤を服用している。
治療者側からすると、毎日の薬の服用を止めていただきたい。
しかし患者の立場で考えると、眠れない不安やそれによる次の日の影響を考えると服用を止めがたいと思われる。
患者とコミュニケーションをしっかりとり、まずは薬の服用回数を減らしていくように伝えた。
薬の服用回数を減らすと眠れない日が出てくると思うが、それは今まで薬の影響で眠れていたものなので、「そういうものだ」と思って欲しいと患者に伝えた。
患者には「眠れない日もある」というスタンスで考えたら精神的に楽という事をアドバイスした。
治療:
曲池・合谷に接触鍼、足三里に置鍼し、身体全体のエネルギー調整
ホルモン調整、胃・腸調整、脳脊髄液循環調整、背骨調整
5診目
前回から1週間後の来院。
患者から「動悸やめまいが少なくなった。気分の浮き沈みがあるものの、かなり減ってきた。睡眠導入剤の服用回数を減らしてみた。やはり眠れない日はあるが、先生のアドバイス通りに考えるようにしたら、不安に思わなくなった。」との報告。
治療:
曲池・合谷に接触鍼、太谿に置鍼し、身体全体のエネルギー調整
ホルモン調整、胃・腎臓調整、脳脊髄液循環調整
背部兪穴にお灸をして、内臓調整
8診目
患者から「家族や友人から顔色良くなった、精気が出てきたと言われるようになった。睡眠導入剤の服用を完全にやめることができた。今まで4、5時間しか寝られなかったのが、毎日6時間以上眠れるようになった。」との報告。
今まで家にこもりがちだったのが、最近は外出の頻度が高くなってきたようである。
気分の浮き沈みは少なく、涙が出ることもかなり減ってきたとのこと。
治療:
曲池・合谷に接触鍼、太谿に置鍼し、身体全体のエネルギー調整
ホルモン調整、脳脊髄液循環調整、背骨調整
背部兪穴にお灸をして、内臓調整
10診目
患者から「ずいぶん調子が良い。動悸、めまい、耳鳴りなどの症状は全く出ていない。たまに不安感に襲われることがあるが、それも数時間で治まる。」との報告。
初診時は目にくぼみがあった患者だが、現在はそれがなくなり肌に血色が戻ってきた。
食欲が増えたことで2キロ程体重が増えたとのこと。
治療:
曲池・合谷に接触鍼、足三里に置鍼し、身体全体のエネルギー調整
ホルモン調整、脳脊髄液循環調整、肩甲胸郭関節調整
背部兪穴にお灸をして、内臓調整
次回から2週間に1回のペースで来院するように伝えた。
14診目
患者から「調子良い。不安感に襲われることは全くなくなった。ほぼ元通りの状態なので、生活がとてもおくりやすい。」との報告。
治療:
曲池・合谷に接触鍼、足三里に置鍼し、身体全体のエネルギー調整
ホルモン調整、脳脊髄液循環調整、肋骨調整
背部兪穴にお灸して、内臓調整
次回からメンテナンス期に移行する旨を伝え、1ヶ月に1回のペースで来院するように伝えた。
「患者さんの口コミ・感想」
Q1、どんな症状をお持ちでしたか?
不安感、不眠、なみだが出てくる。
Q2、鍼灸治療など、当院来院にあたって心配はなかったですか?
また心配はどうやって解消されましたか?
心配はありませんでした。
Q3、当院の施術を受けた時の印象・感想などを教えて下さい。
だんだん良くなっていくのが実感できた。
Q4、あなたと同じ様な症状をもった方へなにか勇気が出るメッセージがあればお願いします。
1度いらっしゃい!かならず良くなるわよ!
お名前:N・T
住所:奈良市
ご年齢:62歳
「担当からの考察」
今回の患者さんであるN・Tさんは2年間も更年期障害の症状に悩まされ、どこの病院に行っても治らない状況での来院でした。
しかも、その症状はとても重く「自分でも自分自身が手に負えない」と訴えられていました。
症状は多岐にわたり、動悸・めまい・息切れ・耳鳴り・不眠・不安・感情の高ぶり・落ち着かない・疲れがとれない・涙がでてくる・・など複数の症状に悩まされていました。
薬もいろんな種類を処方されましたが、効果が出るのは一時だけで、その後は逆戻り。終いには、睡眠導入剤を手放せない状況にまで悪化してしまいました。
初診の問診時、N・Tさんは口数が少なく、傍から見ても憔悴していると分かる程でした。
「まず3か月は治療を継続して受けて下さい。このような疾患の場合、治療後に劇的な変化はみられないですが、3か月後には今の症状はほとんど取れているので期待しておいて下さい。」
私は治療に入る前にこのようにお伝えしました。
N・Tさんは短期間で治してほしいという事でしたが、これに納得されました。
他のブログを読んだ方なら思うはずかもしれませんが、他のブログでは短期間で症状が治ると書かれているような記事も多かったはずです。
なんでこの症状は3ヶ月以上もかかるの?と疑問に思う方もいると思いますが、同じ症状でも発症の期間や重症度によって治療に必要な期間が変わってきます。私は今までの経験から「この症状だったらこれくらいの期間が必要だな」というのはだいたい分かります。
N・Tさんの場合も1ヶ月では絶対に治らないし、半年以上も期間はかからないのは分かっていました。
事実、N・Tさんは私の予想どおり約3ヶ月で以前の健康な状態に戻すことが出来ました。
N・Tさんは更年期障害と自律神経症を併発している状態でした。
女性ホルモンの調整と脳脊髄液の循環を促す調整を丁寧に行うことで、2年間も悩んでいた多岐にわたる症状がスーッと嘘のように引いていったのです。
周りのご友人がびっくりするくらい元気になり、数か月に1回行く美容院の美容師さんからは「肌ツヤが凄く良くなりましたね」と言われたそうです。
私も以前の様子から比べたら、3ヶ月後の現在のN・Tさんは血色がとても良く、良い意味で少しふっくらされ、なによりとても明るくなられたと思います。
ここまで回復することが出来た事を、私も本当に嬉しく思っています^^
最後に、
鍼灸は運動器疾患にしか効果がないと思われている方が多いと思いますが、今回のように更年期障害や自律神経症でも適切な治療さえすれば問題なく治っていくものです。
特に病院などでは検査やレントゲンなど、目で見てはっきり分かる疾患ならお医者さんも診断や治療はしやすいですが、そうでない疾患の場合はなかなか治療が進まず、薬を大量に処方されたり、心療内科を勧められることは珍しいことではありません。
患者さんとお医者さんとの間で話がかみ合わず、悲しい想いをされたという話をよく聞きます。
そんな方たちが当院に藁をも掴む思いで来られるのです。
私はそんな人たちこそ何とかしてあげたい!という強い想いを持って治療に励んでいることを皆さんに知っておいていただきたいです。
治療担当 丸山