疾患別症状改善報告

REPORT

症状改善報告

3年間も続いた膝裏の痛み・しこりが4か月で完治した理由とは?

  • 変形性膝関節症

症例報告

Top member 丸山

 

【来院】

2016年9月

 

【患者】

58歳、女性、主婦

 

【主訴と来院理由】

 

患者は3年前に左足の薬指を骨折。

骨折のため、足を庇い無理な歩き方で日常を過ごす。

その後、足指の骨折の痛みが引くと共に、左ひざ裏に痛みを感じはじめる。

ひざ裏を触ると小さなしこりのような物があることに気づく。

この時ひざ裏に痛みはあったものの、日常生活に支障はなく、病院にかかることはなくそのままにする。

 

しかし、気づいたらしこりは大きくなり、ゴルフボール大にまで肥大。

ひざ裏の痛みも増し、次第にひざ全体にまで痛みが広がる。

 

病院にかかることにしたが、以前よりしこりが小さくなり痛みが軽減され、様子を見ることに。

このまま痛みが取れるかと思われたが、数日経つとしこりが再び現れ、ひざの痛みも再度出現した。

この3年間、このようなことの繰り返しで、ひざの痛みが全くない日はなかった。

 

テレビで当院が紹介されているのを見て、この痛みから解放されたいと思い、来院を決意。

 

【治療経過】

1診目

患者が訴えるひざ裏のしこりを触診したところ、ゴルフボール大の大きさのしこりがあるのが分かった。

ひざ裏のしこりは左膝のみにあり、右側も触診したが正常であったが、

患者は左右のひざ両方に痛みを訴えている。

 

患者は、しこりがある左膝には、ひざの裏と前面に疼痛があると訴える。

歩行時に痛みはなく、膝関節屈曲時に痛みが出現。

このときのペインスケールを「10」と訴える。

こ初診時、施術開始前の痛みの強さをペインスケール「10」と設定し、治療を開始する。

(ペインスケールとは痛みを10段階で表わした時に、痛みがどれくらい出ているかを示すための指標。10に近づくにつれ痛みの度合が増す。患者に数字を示させる。)

 

膝関節屈曲の痛みに加え、しこりがあるためにひざ裏に圧迫感を感じ、違和感を訴える。

立位の姿勢を見ると、ひざが反り返っており、いわゆる反張膝であることが分かる。

反張膝に加え、しこりや疼痛の発生機序からべーカー嚢腫と判断。

 

ベーカ嚢腫とは、膝窩嚢胞とも呼ばれ、50代以上に多い疾患である。

膝の裏側にある滑液包と呼ばれる袋に、過剰に分泌された関節液が腫瘤を形成することによっておこる(下記図参照)

次に右ひざであるが、

患者はひざ全体にダルさ・重さを訴え、触診したところ熱感があった。

右ひざも反張膝であり、それから起こる膝関節の熱感と疼痛だと考えられる。

 

治療:

合谷、手三里に接触鍼、百会に置鍼で体全体のエネルギー調整

大腿骨内旋変異調整、アキレス腱調整、ハムストリング調整

 

施術終了後、左膝(ベーカー嚢腫)のペインスケールは「10」→「8」

ひざ関節屈曲時の圧迫感、違和感はまだある。

右膝(反張膝)のペインスケールは「10」→「7」

 

1診目施術終了

2診目

前回から1週間あけての来院。

左膝ペインスケール「9」

右膝ペインスケール「8」

前回の施術後、体が重くなったとのこと。

前回の施術は患者には刺激が強かったと思われるので、今回は施術内容を少し変更することを伝える。

 

治療:

手三里に接触鍼、足三里に置鍼で体全体の調整

大腿部内旋変位調整、腓骨アライメント調整、膝関節アライメント調整

 

施術終了後、左膝ペインスケール「9」→「6」

膝関節のアライメント調整を行った後、膝関節屈曲時の圧迫感が減少。

2診目施術終了。

 

5診目

左膝(ベーカー嚢腫)ペインスケールは「5」

右膝(反張膝)ペインスケールは「5」

半分まで疼痛をとることが出来たが、ベーカー嚢腫のしこりはまだゴルフボール大である。

しかし、圧迫感がずいぶん取れてきたようで、日常は支障なくおくれているとのこと。

右膝の熱感も凡そはとれた。

 

治療:

合谷に接触鍼、百会に置鍼で体全体のエネルギー調整

大腿部内旋変位調整、腓骨アライメント調整、膝関節アライメント調整

足関節、楔状骨、踵骨アライメント調整

 

初診の問診の際、足の薬指を骨折したとのことであり、その後ひざに痛みが生じた過程がある。

歩行の姿勢を観察すると、骨折の箇所を庇い、足指を浮かした状態で歩いているため膝に過重がかかっていた。

 

楔状骨、踵骨のアライメント調整後、

足指を浮かすことなく、足裏全体が地面に付き歩行することが出来た。

5診目施術終了。

 

12診目

左膝(ベーカー嚢腫)ペインスケール「3」

しこりがゴルフボール大だったのが、10円玉大に変化。

右膝(反張膝)ペインスケール「2」

右膝の熱感は消失。

 

現在は、お風呂場のイスから立ち上がる時に痛むとのこと。

30センチくらいの高さのイスで、それから立ち上がる際に両足に痛みが出るもよう。

 

治療:

手三里に接触鍼、百会に置鍼で体全体の調整

大腿骨内旋変位調整、アキレス腱調整、膝関節アライメント調整

足関節、楔状骨、踵骨アライメント調整

12診目施術終了

16診目

最近は日によって痛みがある日とない日があるようだ。

痛みの箇所もその日によって移動するとのこと。

痛みの程度は「1」「2」であるもよう。

 

治療:

手三里の接触鍼、足三里に置鍼で体全体のエネルギー調整

腓骨アライメント調整、膝関節アライメント調整

内臓(胃経・腎経)調整

16診目施術終了

21診目

両ひざの痛み消失。

ベーカー嚢腫のしこりは豆粒大程度ではあるが残っているものの、膝関節屈曲時の圧迫感や違和感も消失。

 

次回からは3週間に1度のメンテナンス期に移行することを伝え、施術終了とした。

患者さんの口コミ・感想

Q1、どんな症状をお持ちでしたか?

ひざの痛み、アレルギー性鼻炎、肩こり

Q2、鍼灸治療など、当院来院にあたって心配はなかったですか?

また心配はどうやって解消しましたか?

特にありませんでした。

Q3、当院の施術を受けたときの感想・印象などを教えてください。

優しく声かけし励ましてくださったので心強かったです。

Q4、あなたと同じ様な症状をもった方へなにか勇気が出るメッセージがあればお願いします。

先生を信頼して治療していれば、きっと治ると思います。

 

お名前:K・A

住所:大阪市

ご年齢:58才

ご職業:主婦

担当の考察

今回の患者さんのベーカー嚢腫の大きさは私が今まで見たなかで最大のものでした。

ここまで肥大していると、しこりを完全にとりきることは難しいと思いましたし、実際に完全にしこりをとりきることは出来ませんでした。

しかし、日常生活に全く支障をきたすことはなくなり、しゃがむ動作も行えるまで症状をとりきることが出来ました。

 

今回の患者さんの場合、ベーカー嚢腫を引き起こした原因は足の薬指の骨折だと思われます。

 

足指の骨折の痛みは軽減させるために、指を浮かした状態での歩行を長期間続けることによって以前からの反張膝に拍車がかかり反張膝が悪化。

それにより、膝関節の裏側に疲労がたまりベーカー嚢腫を引き起こしてしまっていたのです。

 

最後に、

あなたがたくさんの治療院を回り、それでも症状が改善することがない状況であっても、当院ではそういった方のためにあります。

私たちは患部だけを診ることはなく、体全体を診て根本の原因をつきとめます。

 

ですので、あなたが今まで知りえなかった原因を当院では突き止めることができるでしょう。

当院はいくつもの治療院を回ってきたあなたのためにあるということをみなさんに知っておいていただきたいです。

 

治療担当 丸山

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